同士討ちに関して話し合った角田裕毅とピエール・ガスリー、F1オーストリアGPで雪辱目指す
前戦イギリスGPでの同士討ちを経てアルファタウリの角田裕毅とピエール・ガスリーは一件に関して話し合い、今週末に控えるF1第11戦オーストリアGPに向けて気持ちを切り替えたようだ。
7位争いの最中、両者はターン3で接触。ガスリーはリアウイングの右側部分を大きく損傷してリタイヤを余儀なくされた。角田裕毅は完走したものの、こちらも車体へのダメージでパフォーマンスを失い、ポイント圏外の14位でクルマを降りた。
テクニカルディレクターを務めるジョディ・エギントンが口にしていたように、2人のドライバーは次戦に向けて前に進むために、一件について意見を交わしたようだ。
レッドブルリンクでの週末に向けて角田裕毅は「あの週末で唯一良かったのは、ウェットコンディションとなった土曜の午後に上手くやれた事でした。金曜の様子から予想していた以上に良い予選になりました」とシルバーストンでの3日間を振り返った。
「レースに関しては、スタート直後の接触はどうすることもできず、その後は残念ながらピエールとの接触事故がありました。あの件に関してはチームとして話し合い、前に進む事にしました」
ガスリーも同様に、詳細に踏み込みこそしなかったが、例のインシデントについてチームとして議論し合った事を明かした。
「予選で状況を好転させ、決勝では7番手にまでポジションを上げていたにも関わらず、またしてもチャンスを逃す事になってしまった」
「チームメイト同士での接触は絶対に避けるべき事だけど、レースを終えた日曜の夜にチームとしてこの件に関して腰を据えて話し合い、すぐに次のオーストリアGPに向けたプランニングに取り掛かった」
全面的に自身に責任があるとする角田裕毅にとって、僅か数日後に控えるオーストリアGPは汚名返上のチャンスとなるが、高速のシルバーストンで苦戦したように、似たような特性を持つレッドブル・リンクはAT03と相性が悪い可能性がある。
角田裕毅は「僕らはシルバーストンでの雪辱を晴らすことに全力を注ぎます」と決意を語った。
「昨年はQ3に進出し、レースは10位でポイント獲得と、ここでのレースを楽しむ事ができました。更に振り返れば、F2の時には2位を獲得したこともあります」
「ここは1周が1分強ほどと、ラップタイム的には短い高速のコースですが、僕らのクルマに合うかどうか分からないので、少し難しい週末になるかもしれません」
失意のシルバーストンを経て、オーストリアで好結果を残したいと望んでいるのはガスリーも同じだ。特にここはレッドブルの名を関したコースであり、お膝元でもある。
「特別なプレッシャーはないけれどレッドブルにとってのホームレースだから、チームの誰もが良い結果を残したいと強く思ってる。僕はレッドブルリンクで過去に3回、ポイント圏内でフィニッシュした」とガスリー。
「ここのレイアウトは特に第2、第3セクターが本当に速い。今年の僕らにとって、この手のサーキットは少し厄介な部分があるけど、これまでのレースから多くを学んできているし、この手のコンディションであってもクルマを改善させ前進する事は可能だと思う」
「シーズンの開幕以来、僕らは何度か問題を抱えてきた。週末を完璧にまとめる必要があるし、パッケージを上手く機能させることが重要になる。ここは理論的に言って僕らにあまり適していないコースだからね」
「最善を尽くせば、チャンスが訪れた時にそれを掴めるはずだ」
昨年のグランプリでは、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが3戦連続のポール・トゥ・ウインを果たすと共に、史上25人目となるグランドスラムを達成した。
1周4326m、カレンダー最小となる全10コーナーを有するレッドブル・リンクでの週末はスプリントフォーマットが適用される。F1オーストリアGPは日本時間7月8日(金)20時30分からのフリー走行1で幕を開ける。