事故から2ヶ月…アレックス・ザナルディ、著しい回復 準集中治療に移行
6月19日のハンドバイク競技中の事故から2ヶ月。入院先のサン・ラッファエーレ病院は、元F1ドライバーのアレックス・ザナルディが「著しい臨床的改善」を示した事から、現在は準集中治療に移行している事を明かした。
交通事故によって頭部に重症を負い、シエナの病院で誘発的昏睡状態に置かれていた53歳のイタリア人アスリートは先月中旬、鎮静剤の投与から開放されてロンバルディア州レッコのリハビリテーション施設「ヴィラ・ベレッタ」へと移ったものの容態が悪化。7月末にミラノ・セグラーテの大学病院への移送され、脳神経外科手術室長のピエトロ・モルティーニ医師のもと、4度目の手術を受けた。
3週間近くに渡って公式の情報が発表されない状態が続いていたが、経過は前向きのようで、サン・ラッファエーレ病院は19日(水)に声明を発表し「患者は7月24日の入院後、集中治療を受けていたが、臨床的観点において著しい改善を示したため、現在はルイジ・ベレッタ教授の神経再生ユニットで準集中治療を受けている」と説明した。
ザナルディは1991年から1999年に渡ってジョーダン、ミナルディ、ロータス、ウィリアムズから41回のグランプリに出走。アメリカでは2度のCART選手権タイトルを獲得したものの、2001年のアメリカンメモリアルで大クラッシュに見舞われ、両足切断を余儀なくされた。
だが、強靭な精神力で以て事故から2年も経たないうちにレース活動に復帰すると、今度はハンドサイクリングに転向。これまでにパラリンピックで金メダル4つを獲得する驚異的な業績を残した。事故は、2021年の東京大会に向けて調整を続けていた最中に起こった。