ハミルトン4勝目…皇帝の記録更新、ホンダ勢は2位フェルスタッペンを含む3台が入賞 / F1スペインGP《決勝》結果とダイジェスト
2020シーズンFIA-F1世界選手権 第6戦スペインGP決勝レースが8月16日に行われ、メルセデスAMGペトロナスF1チームのルイス・ハミルトンがポール・トゥ・ウイン。今季4勝目、通算88勝目を飾り、ミハエル・シューマッハが所持していたF1史上最多表彰台記録を更新。156回とした。
2位はレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン。ハミルトンには歯が立たなかったものの、スタートに失敗した2番グリッドのバルテリ・ボッタス(メルセデス)を交わし、その後は危うい場面もなくポジションをキープした。
ポジションを失ったボッタスは、DRSが使用可能となるや否やランス・ストロール(レーシングポイント)をオーバーテイクして3番手を奪還。その後はフェルスタッペンをターゲットに据えたが一度も襲いかかれず、3位表彰台に上がった。ただ、ファステストラップを記録してボーナスの1ポイントを加算した。
クルマを降りたフェルスタッペンは「今日はペースが足らなかったから、メルセデスの2台を分割できて嬉しい」と満足感を示した。その一方で、ボッタスは通算50回目の記念的表彰台となったにも関わらず「レース最初の件は何が起きたのか分からない。調べてみる必要がある」と落胆の色を隠さなかった。
ファン投票によるこの日のベストドライバー賞「Driver of the Day」に輝いたのは、スクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテルだった。25周が限度と考えられていたソフトタイヤ、それもユーズドで39周を走り、ルノー勢およびケビン・マグヌッセン(ハース)と並ぶ唯一の1ストップを成功させ、6位フィニッシュを果たした母国カルロス・サインツ(マクラーレン)に続く7位入賞を果たした。
もう一台の跳馬を駆ったシャルル・ルクレールは、36周目にターン14に進入した直後にクルマがシャットダウン。ハーフスピンを喫してターン15でストップした。為す術もなく後続車を見送った後にリブートして走行を再開するも、様子がおかしいとしてピットへと入り修復を試みたが叶わず、リタイヤした。チームは電気系統の問題を疑っている。
LAP 41/66
Despair for Charles Leclerc – his race is over#SpanishGP 🇪🇸 #F1 pic.twitter.com/X389q1fF7w
— Formula 1 (@F1) August 16, 2020
マシンの総合力が試される第6戦の舞台、カタロニア・サーキットに持ち込まれたのは、最も硬いレンジのC1からC3までのコンパウンド。レースでは最低2種類のコンパウンドを使用する義務があり、ミディアムとソフトが主役を担った。バランスが取れないとして敬遠されていたハードを履いたのはアルボンのみだった。
タイヤ選択権を持つ11番以降のグリッドでは、12番手ダニール・クビアト、16番手ケビン・マグヌッセン、18番手ジョージ・ラッセルの3台のみがソフトをチョイスし、他は全てミディアムをスタートタイヤに選んだ。
決勝は日本時間16日(日)22時10分にブラックアウトを迎え、1周4,655mのコースを66周する事で争われた。現地バルセロナは晴れ、チャンピオンシップポイントを争う決勝のフォーメーションラップは気温29.8℃、路面48.5℃、湿度55%のドライコンディションで開始された。中盤を過ぎたところでレーダー上に不吉な雨雲が確認されたが、結局最後まで雨が路面を濡らすことはなかった。
クラッシュといった大きなアクシデントはなく、リタイヤはルクレールの1台のみとなった。オーバーテイクが困難なコース特性通りにコース上のアクションは少なく、特に序盤は各車が等間隔に連なる展開だった。
トップ3に続いたのはレーシングポイントの2台だった。セルジオ・ペレスが4位、ランス・ストロールが5位でフィニッシュラインを駆け抜けたが、ブルーフラッグ無視の疑いがあるとしてダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)と共にペレスが審議の対象となり、スチュワードは各々に5秒ペナルティを科す裁定を下した。この結果両者の順位が入れ替わり、ストロールが4位、ペレスが5位という結果となった。
クビアトはペナルティで後退する事はなく、スタートポジションそのままの12位でクルマを降りた。アルファタウリ・ホンダのチームメイト、ピエール・ガスリーは、シニアチームのアレックス・アルボンの後方0.5秒の位置でフィニッシュ。見事9位入賞を果たしてポイントを持ち帰った。ホンダ勢としては3台がトップ10フィニッシュという結果だった。
1ストッパーのギャンブルに出たルノー勢は、2台揃って圏外フィニッシュに終わった。ダニエル・リカルドはポイント最後のポジション、10位をマクラーレンのランド・ノリスに許す11位となり、エステバン・オコンは13位に終わった。
アルファロメオ・レーシングのキミ・ライコネンは14位とポイントを逃したが、フェルナンド・アロンソが持つ83,882kmのF1史上最多走行距離記録。84,013kmへと更新した。アントニオ・ジョビナッツィは16位でヘルメットを脱いだ。
2020年F1第6戦スペインGP決勝リザルト
Pos | No | Driver | Team | Laps | Time | PTS |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 66 | 1:31:45.279 | 25 |
2 | 33 | フェルスタッペン | レッドブル | 66 | +24.177s | 18 |
3 | 77 | ボッタス | メルセデス | 66 | +44.752s | 16 |
4 | 18 | ストロール | レーシングポイント | 65 | +1 lap | 12 |
5 | 11 | ペレス | レーシングポイント | 65 | +1 lap | 10 |
6 | 55 | サインツ | マクラーレン | 65 | +1 lap | 8 |
7 | 5 | ベッテル | フェラーリ | 65 | +1 lap | 6 |
8 | 23 | アルボン | レッドブル | 65 | +1 lap | 4 |
9 | 10 | ガスリー | アルファタウリ | 65 | +1 lap | 2 |
10 | 4 | ノリス | マクラーレン | 65 | +1 lap | 1 |
11 | 3 | リカルド | ルノー | 65 | +1 lap | 0 |
12 | 26 | クビアト | アルファタウリ | 65 | +1 lap | 0 |
13 | 31 | オコン | ルノー | 65 | +1 lap | 0 |
14 | 7 | ライコネン | アルファロメオ | 65 | +1 lap | 0 |
15 | 20 | マグヌッセン | ハース | 65 | +1 lap | 0 |
16 | 99 | ジョビナッツィ | アルファロメオ | 65 | +1 lap | 0 |
17 | 63 | ラッセル | ウィリアムズ | 65 | +1 lap | 0 |
18 | 6 | ラティフィ | ウィリアムズ | 64 | +2 laps | 0 |
19 | 8 | グロージャン | ハース | 64 | +2 laps | 0 |
NC | 16 | ルクレール | フェラーリ | 38 | DNF | 0 |
コンディション
天気 | 晴れ |
---|---|
気温 | 29.8℃ |
路面温度 | 48.5℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1スペインGP |
---|---|
レース種別 | 決勝 |
レース開始日時 |
サーキット
名称 | カタロニア・サーキット |
---|---|
設立 | 1991年 |
全長 | 4657m |
コーナー数 | 14 |
周回方向 | 時計回り |