厚い雲に覆われたハンガロリンク
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雨落ちるF1ハンガリーGP:最速タイヤ戦略と残存セット数「暑ければミディアムがより有利だが…」

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決勝スタートを2時間後に控え、既に雨が落ち始めたハンガロリンク。開幕トリプルヘッダーの最終戦、第3戦ハンガリーGPの決勝レースが日本時間7月19日(日)22時10分にブラックアウトを迎える。70周のレースを制するのは誰なのか? 各ドライバーの手持ち残存タイヤセット数と、ピレリが考える最速のタイヤストラテジーをまとめる。

今回持ち込まれたコンパウンドはC2(ハード/白)、C3(ミディアム/黄)、C4(ソフト/赤)の標準的なラインナップで、過去2戦と同じであり昨年のグランプリとも同じだ。2019年のレースではメルセデスのルイス・ハミルトンが中古のミディアム(31周)からハード(17周)へ、そして再び中古のミディアム(22周)へと繋ぐ2ストップで勝利を収めた。トップ10フィニッシュのタイヤ戦略は1ストップと2ストップで分かれた。

決勝がドライコンディションで行われる場合、各マシンは最低2種類の異なる硬さのコンパウンドを使用しなくてはならない。ウェットレースとなればその義務も消滅する。現時点ではウェットの可能性が極めて高い。

決勝に向けての各ドライバーの手持ちタイヤは以下の通り。ハードに関しては全員が新品を1セット保持しており、ミディアムに関しては予選Q2で2セットを使った2列目のレーシングポイント以外の全車が1セットの新品を残している。

2020年F1ハンガリーGP決勝 ドライバー別残存タイヤセット数

70周で競われるハンガリーGPで理論上最速と考えられる戦略は1ストッパーだ。

ピレリはソフトタイヤで35~40周を走った後にソフトタイヤに履き替える1ストップ戦略が主流になると予想している。その他には、ソフト、ソフトと繋いで残りの20~28周をミディアムで走りチェッカーフラッグを受けるストラテジーもあり得るという。

上記2つの戦略はレースのトータルタイムという点では変わらないが、メルセデスとレーシングポイントが採用すると思われる前者の方が柔軟性が高い。

2020年F1ハンガリーGP決勝 タイヤ戦略

ピレリのレース部門を率いるマリオ・イゾラは「暑いコンディションとなればミディアムでのスタートの方が尚更アドバンテージがある」と述べているが、果たして雨は止むだろうか?

2020年F1第3戦ハンガリーGP決勝レースは、日本時間7月19日(日)22時10分にスタート。1周4,381mのハンガロリンクを70周する事でチャンピオンシップを争う。

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