ルノーF1、エステバン・オコンを起用…メルセデスはボッタスとの契約を更新との報道
ルノーF1チームは、ニコ・ヒュルケンベルグとの契約を更新せず、2020年シーズンよりF1浪人を続けていた地元フランス出身のエステバン・オコンを起用。育成ドライバーのシートを確保したメルセデスは、バルテリ・ボッタスとの契約を更新し、ルイス・ハミルトンとのラインナップを維持する見通しとの報道が舞い込んだ。
ハイブリッド時代の王者に君臨するシルバーアローのトト・ウォルフ代表は、ベルギーGPまでのサマーブレイク中に、2020年のドライバーラインナップを最終決断すると明言。ボッタスの去就に注目が集まっていた。
メルセデスの今季型マシン「W10」は今年もライバルを寄せ付けない性能を手にし、ハミルトンはドライバーチャンピオンシップで首位につけている。一方でメルセデスでの3シーズン目を迎えたフィンランド人ドライバーは、チームメイトに62ポイント遅れ、つまり優勝2回分以上の差をつけられ2位。レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン対して、僅か7ポイント差でその座をキープしている状態だ。
トト・ウォルフ代表は「来季ラインナップはボッタスかオコンの2択」と断言。ボッタスにシート喪失の可能性が浮上していたが、独AUTO BILDは21日、メルセデスがルノーにオコンを送り込む事を決断し、発表の時が近づいていると報じた。報道によると契約は2年。公式発表はないものの、オコンがルノーでF1復帰を果たした場合、ボッタスのメルセデス残留が確定する事になる。
ルノーのシリル・アビテブール代表はフランスGPの記者会見の場で、ヒュルケンベルグの多大な貢献に言及し、契約更新の可能性を仄めかしつつも「他の選択肢も評価する必要がある。おそらくニコもそう(他チームへの移籍を検討している)だと思うが」と述べ、オコン起用の可能性を否定しなかった。
報道の通りに事が進んだ場合、ヒュルケンベルグはロマン・グロージャンの後任としてハース入りを目指す事になる。ラインナップ再考を迫られるハースのギュンター・シュタイナー代表は、ルーキーの起用に難色を示しており、経験豊富なドライバーを求めている。
トト・ウォルフ代表は夏休みを前に「エステバンは厳しい状況を経験してきたものの、メルセデスのシートを得るに足る動機とエネルギー、そして才能を併せ持っている」と語っていたが、オコンがメルセデスのシートを手にするに値しないと判断された理由はどこにあるのか?
1997年のF1ワールドチャンピオン、ジャック・ビルヌーブはAUTO BILD MOTORSPORTに対して、次のような見解を示している。「オコンはキャリアを通して繰り返し、彼自身が非常に自己中心的であることを示してきた。私は、トトがメルセデスというチームを訓練の場に望んでいるとは思えない」
経験不足の若手ドライバーをトップチームに起用する事は大きなリスクを伴う。レッドブル・ホンダは今年、F1でのフル参戦を過ごしたばかりのピエール・ガスリーを昇格させたものの、5年目のベテラン、マックス・フェルスタッペンに大きく遅れを取り、ハンガリーGPを終えてトロロッソへの降格が発表されている。