メルセデスのレーシングスーツを着たエステバン・オコン、2016年シルバーストーンでのテストにて
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メルセデスF1、2020年のシートはボッタス?それともオコン? 8月中に最終決定

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メルセデスAMGのトト・ウォルフ代表は、バルテリ・ボッタスとの契約を更新するか否かについて「来年だけでなく”長期的な視点”で決断したい」と語り、ハンガリーGP明けの8月中に、2020年のシートを最終決定する予定であることを明らかにした。

ボッタスは2017年にウィリアムズからシルバーアローへと籍を移したが、以降、複数年契約が結ばれる事はなく、毎年シート喪失のリスクを抱えながらのレースを強いられてきた。昨年は7月中に契約延長が発表されたものの、メルセデスは現在ドライバー人事に頭を悩ませており、ボッタスの去就は一層不安定なものとなっている。

メルセデスの2020年シート候補者はボッタスを含めて3名いる。上層部はジュニアドライバーのエステバン・オコンを高く評価しており、何らかのカタチで来シーズンのF1に復帰させようと目論むが、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンにも依然として移籍の噂がある。

オコンには、ニコ・ヒュルケンベルグの代わりとしてルノーへ移籍するとの噂もあるが、当のヒュルケンベルグは母国ドイツGPの公式会見で「残留の可能性は高い」との見解を示している。

ボッタスはメルセデスでの3シーズン目を迎えた今年、予選成績で印象的な進歩を見せているが、決勝リザルトとなると物足りなさが拭えない。ルイス・ハミルトンは既に7勝を上げているが、ボッタスはオーストラリアとアゼルバイジャンの2勝に留まる。とは言え、ドライバーズランキングで2位につけており、チームの選手権6連覇達成に向けて着実に貢献している事から、来年の事のみを考えれば、契約更新をためらうような決定的理由は見当たらない。

ボッタスを残留させるか、それとも将来性ある若いオコンを起用するか。可能性が高いのはこの2つのオプション。トト・ウォルフは「バルテリは何度か非常に強いパフォーマンスを見せておりシートを獲得に値するが、エステバンも過去に同じように素晴らしい走りを見せている」と語り、シーズン序盤の際のコメントと比較すると、ボッタス押しのトーンが抑えられた印象を受ける。

トト・ウォルフによれば、他のライバルチームがオコンに興味を示しているとの事だが、単年での契約には興味がないようで、複数年でのアプローチを受けているようだ。よってメルセデスが仮にボッタスを選んだ場合、チームは今後数年に渡ってオコンを失う事になりかねない。トト・ウォルフが頭を悩ませている背景には、こういった事情があるようだ。