ボッタスがPP!ホンダ勢はポールポジションに0.18秒差 / F1イギリスGP《予選》結果とダイジェスト
2019年FIA F1世界選手権 第10戦イギリスGP公式予選が、7月13日にシルバーストン・サーキットで行われ、メルセデスAMGのバルテリ・ボッタスが1分25秒093を記録。スペインGP以来5戦ぶりにポールポジションを獲得した。
2番手はルイス・ハミルトン。Q3での1回目のアタックミスが響いた。チームメイトには1000分の6秒届かず、イギリスでの予選ポール記録更新は叶わなかったが、シルバーアローがライバルを退け、2013年以降、7年連続でフロントロウを独占する結果となった。
セカンドロウ3番手は、スクーデリア・フェラーリのシャルル・ルクレール。ポールには1000分の79秒届かなかった。4番手はレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン。順位的には悔やまれる部分があるものの、ボッタスとのギャップは僅か0.183秒。トップランナーとの差を更に縮め、RB15の進化を印象づけた。
フェルスタッペンはターボチャージャーに問題を抱え最大で推計0.2秒程をロス。予選を振り返ったフェルスタッペンは「トラブルがなければポール争いが出来たはず」と悔しさを滲ませた。
今週末の全セッションでチームメイトを上回り、完全復調の兆しを見せていたピエール・ガスリーは5番手。フェルスタッペンとの差はコンマ3秒と開いたが、前戦までと比較すれば小さく、跳馬のセバスチャン・ベッテルを6番手に退け、任務を全うした。
トロロッソ・ホンダ勢は、アレックス・アルボンが見事Q3進出を果たした挙げ句、ルノーのニコ・ヒュルケンベルグを撃沈。9番グリッドを確保した。その一方でダニール・クビアトの不振は止まらず、17番手でQ1ノックアウトを喫した。
中団グループ最上位の地位を射止めたのは、ルノーのダニエル・リカルド。マクラーレンの地元出身ドライバー、ランド・ノリスを1000分の42秒差で退けてみせた。
午前のFP3に引き続き、現地上空には雲が垂れ込め、決勝のスタートグリッドを決する争いは気温18.7℃、路面29.1℃、湿度69.8%のドライコンディションでスタート。横荷重が厳しいこのコースに、ピレリは最も硬いレンジの3種類のコンパウンドを投入。Q3進出者にはC3ソフトタイヤが追加提供された。
予選Q1:熾烈なミッドフィールド
エントリーした全20台で争われる予選第一ラウンドのQ1。各車最も柔らかいソフトタイヤでコースインする中、Q2での戦略を睨んで故か、フェラーリの2台のみがミディアムを履いてタイムを計測。ルクレールが2番手を刻んだ。
時間の経過とともに徐々に路面温度が低下。2セット目のアタックでタイム更新に成功したドライバーは限られた。ドライバビリティの悪さを訴えたフェルスタッペンは3番手、ガスリーは8番手でQ1突破を果たした。
ミッドフィールドは激戦。10番手でQ2進出を果たしたリカルドと、あと一歩というところでノックアウトを喫した16番手ケビン・マグヌッセンとのギャップは僅かに0.234秒。クビアトは1000分の72秒という僅差でQ1敗退を喫した。
ノックアウト
- ケビン・マグヌッセン
- ダニール・クビアト
- ランス・ストロール
- ジョージ・ラッセル
- ロバート・クビサ
予選Q2:異なる戦略を選んだフェラーリ
5台が脱落し、残る15台のマシンが挑んだQ2では、ベッテルを除く3強チームの計5台が、決勝レースを見据えてミディアムタイヤでコースインし、1セット目を終えてトップ5を占拠。ベッテルは中古のソフトで8番手タイムを刻み、ガレージへと戻った。
性能劣化が懸念されるソフトでのスタートを避けるべく、ミディアムに履き替えるかに思われたが、ベッテルは新品ソフトを装着。5番手タイムでQ3進出を確保した。更に、ミディアムで2番手をマークしていたルクレールもソフトにチェンジ。トップタイムを刻み、ミディアムでの自己ベストを塗り替えた。跳馬はライバルと異なる戦略を選んだ。
1セット目でノックアウトゾーンに沈んでいたアルボンは、最終アタックで自己ベストを更新。100分の8秒差でアルファロメオのアントニオ・ジョビナッツィを蹴落とし、見事Q3進出を果たした。
ノックアウト
- アントニオ・ジョビナッツィ
- キミ・ライコネン
- カルロス・サインツ
- ロマン・グロージャン
- セルジオ・ペレス
予選Q3:ハミルトンが痛恨のミス
トップ10グリッドを決する予選最終ラウンドのQ3。シルバーストン・マイスターとも言うべきハミルトンは、ブルックランズでのブレーキングでミス。リアを滑らせタイムを大きくロスした。
1回目のアタックを終えてのタイムシートは、ボッタス、ハミルトン、フェルスタッペン、ルクレール、ガスリー、ベッテルの順。残存タイヤに余裕のないノリスとアルボンはガレージ内に留まり、最後のチャンスに全てを賭けた。
暫定ポールのボッタスは最終アタックでタイム更新ならず。ハミルトンにチャンスが訪れたが、0.006秒届かず2番手が確定した。ルクレールはセクター1でファステストを刻みタイムを更新するも、フェルスタッペンが蹴落とすのが精一杯。ベッテルはクルマに手こずり6位に甘んじた。
F1イギリスグランプリ決勝レースは、日本時間14日(日)22時10分からスタート。1周5891mのシルバーストン・サーキットを52周する事でチャンピオンシップを争う。
2019年F1第10戦イギリスGP予選リザルト
Pos | No | Driver | Team | Q1 | Q2 | Q3 | Laps |
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1 | 77 | ボッタス | メルセデス | 1:25.750 | 1:25.672 | 1:25.093 | 20 |
2 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:25.513 | 1:25.840 | 1:25.099 | 16 |
3 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:25.533 | 1:25.546 | 1:25.172 | 17 |
4 | 33 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:25.700 | 1:25.848 | 1:25.276 | 21 |
5 | 10 | ガスリー | レッドブル | 1:26.273 | 1:26.038 | 1:25.590 | 21 |
6 | 5 | ベッテル | フェラーリ | 1:25.898 | 1:26.023 | 1:25.787 | 19 |
7 | 3 | リカルド | ルノー | 1:26.428 | 1:26.283 | 1:26.182 | 21 |
8 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:26.079 | 1:26.385 | 1:26.224 | 21 |
9 | 23 | アルボン | トロロッソ | 1:26.482 | 1:26.403 | 1:26.345 | 24 |
10 | 27 | ヒュルケンベルグ | ルノー | 1:26.568 | 1:26.397 | 1:26.386 | 21 |
11 | 99 | ジョビナッツィ | アルファロメオ | 1:26.449 | 1:26.519 | 18 | |
12 | 7 | ライコネン | アルファロメオ | 1:26.558 | 1:26.546 | 18 | |
13 | 55 | サインツ | マクラーレン | 1:26.203 | 1:26.578 | 15 | |
14 | 8 | グロージャン | ハース | 1:26.347 | 1:26.757 | 17 | |
15 | 11 | ペレス | レーシングポイント | 1:26.649 | 1:26.928 | 14 | |
16 | 20 | マグヌッセン | ハース | 1:26.662 | 9 | ||
17 | 26 | クビアト | トロロッソ | 1:26.721 | 10 | ||
18 | 18 | ストロール | レーシングポイント | 1:26.762 | 9 | ||
19 | 63 | ラッセル | ウィリアムズ | 1:27.789 | 9 | ||
20 | 88 | クビサ | ウィリアムズ | 1:28.257 | 10 |
コンディション
天気 | 曇り |
---|---|
気温 | 18.7℃ |
路面温度 | 29.1℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1イギリスGP |
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セッション種別 | 予選 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | シルバーストン・サーキット |
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設立 | 1947年 |
全長 | 5891m |
コーナー数 | 18 |
周回方向 | 時計回り |