ホンダF1、全車トップ10圏外「挽回に向けて膨大な作業が必要」F1カナダGP《初日》
ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターが、6月7日(金)に行われたF1第7戦カナダGP初日プラクティスを振り返った。レッドブルもトロロッソも、2回のセッションでライバルに引き離されており、田辺TDは挽回に向けて膨大な作業が必要だと考えている。
好天に恵まれたこの日、ジル・ビルヌーブ・サーキットには日差しが照りつけ路面温度が上昇。午後のFP2では50度以上に達した。
マックス・フェルスタッペンはFP2でのタイム計測中、低速走行中のピエール・ガスリーにスタックしかけた結果、アンダーステアに見舞われ最終シケイン後のチャンピオンズ・ウォールに接触。マシンに深刻なダメージはなかったものの、クルマの状態チェックのために予定外のガレージインを強いられた。
コースに復帰した後はロングランに集中。そのためソフトコンパウンドでのファストランを行えず13番手タイムに終わった。一方のガスリーは12番手。同じホンダエンジンを搭載するトロロッソは、アレックス・アルボンが14番手、ダニール・クビアトが15番手という結果に終わり、4台全てがトップ10圏外で初日を終える事となった。
- 12番手:ピエール・ガスリー(Red Bull)
- 13番手:マックス・フェルスタッペン(Red Bull)
- 14番手:アレックス・アルボン(Toro Rosso)
- 15番手:ダニール・クビアト(Toro Rosso)
ガスリーはグリップ不足を理由に、メルセデスとフェラーリへの挑戦が厳しいものになりそうだとの見解を示しているが、フェルスタッペンは「改善が必要だがそれは少しであり、劇的なものではない」とコメント。2列目のチャンスはまだ残っていると考えている。
ホンダ:F1カナダGP初日を終えて
田辺 豊治ホンダF1現場責任者
パワーユニット側としては、4台ともにトラブルフリーの一日となりました。ただしタイムシート的には、明日の予選と日曜の決勝レースに向けてやるべき仕事が山積みだと感じています。ですが、どこを改善すべきかについては把握できています。
ここからは、集めた全てのデータをしっかりと見直して、さらに競争力を上げていければと考えています。私がホンダと共に最初にこのサーキットを訪れたのは30年近く前の事ですが、今年はピットガレージ棟が改修され、非常に働きやすい環境になっていました。すばらしい仕事をしてくれた主催者の方々に感謝しなければなりませんね。
初日をトップで締め括ったのはフェラーリ勢。シャルル・ルクレールが2番手セバスチャン・ベッテルを1000分の74秒差で退けトップタイムを記録した。3番手にはコンマ1秒遅れでメルセデスのバルテリ・ボッタスが続いた。
F1カナダグランプリ3回目のフリー走行は、日本時間6月8日(土)24時から25時まで、公式予選は同27時から1時間に渡ってジル・ビルヌーブ・サーキットで開催される。