有力候補が壁の餌食に…フェラーリ2台がトップを奪取 / F1カナダGP《FP2》結果とダイジェスト
2019年F1世界選手権 第7戦カナダGP金曜2回目のフリー走行が現地6月7日に開催され、スクーデリア・フェラーリのシャルル・ルクレールが1分12秒177のトップタイムを記録。2番手にはセバスチャン・ベッテルが1000分の74秒差で続き、FP1で圧倒的な強さを見せたメルセデスを抜き去り、跳馬が初日をトップで締め括った。
午前のFP1に引き続き、午後の現地モントリオールも好天に恵まれ、鋭い日差しがコースに降り注いた。その結果、コースコンディションが大きく変化。予選・決勝と同時刻帯のプラクティス2は気温25.3℃、路面温度49.6℃、湿度30.6%のドライコンディションでスタートした。フェラーリSF90の躍進は、熱いコンディションに一因がありそうだ。
午前のセッションを経たことで埃っぽい路面状況は幾らか改善するも、吹き付ける風と熱い路面がクルマの挙動を翻弄し、FP1と同じ様にコースオフするマシンが多発。トップチームの有力候補であっても例外ではなく、マックス・フェルスタッペンとルイス・ハミルトンがアクシデントに見舞われた。
セッション序盤、ターン8で縁石に乗った瞬間、ハミルトンはオーバステアに見舞われ外壁に激しく接触。タイヤのパンクを始めとして、右リアを中心にマシンにダメージを負った。辛うじて自走でピットに戻ったが、予防措置としてリアエンド全てを交換することを決断。ガレージ内で懸命の作業が行われたものの時間内に修復することは叶わず、ハミルトンは走行僅か8周の6番手タイムでセッションを終えた。
It's pretty rare to see Lewis Hamilton make a mistake like this…
…especially at a track where he's won SIX times 👀#CanadianGP 🇨🇦 #F1 pic.twitter.com/kgefZbtC0Y
— Formula 1 (@F1) June 7, 2019
なお、午前のFP1で発生したバルテリ・ボッタスの燃圧トラブルの原因についてメルセデスは、今回新しく投入したフェーズ2エンジンに由来するものではないと発表。ボッタスはトップからコンマ1秒落ちの3番手タイムを刻みクルマを降りた。
フェルスタッペンはタイム計測中、低速で走行するチームメイトのピエール・ガスリーに気を煩わされ、チャンピオンズ・ウォールに接触。マシンに深刻なダメージはなかったものの、壁の塗装は剥げ、クルマの状態チェックのために予定外のガレージインを強いられた。
コースに復帰した後はロングランに集中。そのためソフトコンパウンドでのファストランを行えず、ハードタイヤで刻んだ1分13秒388の13番手タイムに終わった。なお、ガスリーは12番手。同じホンダエンジンを搭載するトロロッソは、アレックス・アルボンが14番手、ダニール・クビアトが15番手という結果に終わった。
The Wall of Champions is calling…
And Max *almost* answers it, with a solid skim halfway through FP2 😬#CanadianGP 🇨🇦 #F1 pic.twitter.com/nCrV2XQHD8
— Formula 1 (@F1) June 7, 2019
ミッドフィールド最速を刻んだのはマクラーレンのカルロス・サインツ。トップからコンマ3秒落ちという実に印象的なタイムで4番手に付けた。5番手はハースのケビン・マグヌッセン。両者ともにチームメイトを大きく退けた。
アルファロメオは予防措置として、FP1でクラッシュしたアントニオ・ジョビナッツィのギアボックスをセッション中に交換。その結果、走行時間を大幅に失い、16ラップの18番手タイムでクルマを降りた。FP1で6番手をマークしていたチームメイトのキミ・ライコネンは16番手と大きく後退。コンディションの変化によって、勢いが削がれた格好となった。
カナダグランプリ3回目のフリー走行は、日本時間6月8日(土)24時から、公式予選は同27時からジル・ビルヌーブ・サーキットで開催される。
2019年F1第7戦カナダGPフリー走行2(FP2)リザルト
Pos | No | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
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1 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:12.177 | 39 | |
2 | 5 | ベッテル | フェラーリ | 1:12.251 | +0.074 | 38 |
3 | 77 | ボッタス | メルセデス | 1:12.311 | +0.134 | 46 |
4 | 55 | サインツ | マクラーレン | 1:12.553 | +0.376 | 45 |
5 | 20 | マグヌッセン | ハース | 1:12.935 | +0.758 | 41 |
6 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:12.938 | +0.761 | 8 |
7 | 11 | ペレス | レーシングポイント | 1:13.003 | +0.826 | 39 |
8 | 3 | リカルド | ルノー | 1:13.016 | +0.839 | 40 |
9 | 27 | ヒュルケンベルグ | ルノー | 1:13.168 | +0.991 | 42 |
10 | 18 | ストロール | レーシングポイント | 1:13.171 | +0.994 | 37 |
11 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:13.249 | +1.072 | 38 |
12 | 10 | ガスリー | レッドブル | 1:13.345 | +1.168 | 38 |
13 | 33 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:13.388 | +1.211 | 22 |
14 | 23 | アルボン | トロロッソ | 1:13.436 | +1.259 | 45 |
15 | 26 | クビアト | トロロッソ | 1:13.521 | +1.344 | 40 |
16 | 7 | ライコネン | アルファロメオ | 1:13.542 | +1.365 | 41 |
17 | 8 | グロージャン | ハース | 1:13.598 | +1.421 | 39 |
18 | 99 | ジョビナッツィ | アルファロメオ | 1:14.870 | +2.693 | 16 |
19 | 63 | ラッセル | ウィリアムズ | 1:15.036 | +2.859 | 36 |
20 | 88 | クビサ | ウィリアムズ | 1:15.287 | +3.110 | 44 |
コンディション
天気 | 晴れ |
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気温 | 25℃ |
路面温度 | 50℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1カナダGP |
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セッション種別 | フリー走行2 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | ジル・ビルヌーブ・サーキット |
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設立 | 1978年 |
全長 | 4361m |
コーナー数 | 14 |
周回方向 | 時計回り |