ハミルトンが逆転…1000戦目のウィナーに、ホンダ勢は2戦連続で3台入賞 / F1中国GP《決勝》結果とダイジェスト
2019年シーズンF1第3戦中国GPの決勝レースが4月14日に行われ、予選2番グリッドのルイス・ハミルトンが後続を6.5秒引き離し優勝。チェッカーを担当したアラン・プロストの目の前をトップで駆け抜けキャリア通算75勝目、F1世界選手権1000戦目のメモリアルレースを制した。
2位はバルテリ・ボッタス。メルセデスAMGは、1992年のウィリアムズ以来初となる開幕3戦連続での1-2フィニッシュを達成し、選手権でのリードを広げた。3位表彰台に滑り込んだのは、フェラーリのセバスチャン・ベッテル。レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは、シャルル・ルクレールを交わして4位でレースを終えた。
殊勲賞、ドライバー・オブ・ザ・デイはトロロッソ・ホンダのアレックス・アルボン。ピットレーンからのスタートを強いられながらも、幾度のオーバーテイクとタイヤマネジメントによって、見事10位入賞を果たした。ファエンツァのチームにとっては250戦目の記念レース。想い出深い1ページを刻んだ。
レッドブル陣営は残り2周でピエール・ガスリーをピットに招集。フリーストップを利用して、2周オールドのソフトコンパウンドにチェンジ。悩めるフランス人ドライバーはファステストラップポイントを手に入れ、6位入賞を果たした。ホンダエンジン勢としては2戦連続でのトリプル入賞となった。
© Getty Images / Red Bull Content Pool、オープニングラップでは激しいバトルが繰り広げられた
前戦バーレーンから2週間後に行われた第3戦の舞台は、1.2kmのロングストレートとテクニカルなコーナーアングルの低速コーナーが特徴の上海インターナショナル・サーキット。決勝は、日本時間14日(日)15時10分にブラックアウトを迎え、1周5451mのコースを56周する事で争われた。
週末と同じように日曜もまた上海の大気はどんよりと淀み、天気としては曇り。前日までと比べて強風が吹き荒れる中、チャンピオンシップポイントを争う決勝のフォーメーションラップは気温19℃、路面29℃のドライコンディションで開始された。
前日に開催された予選では、ボッタスがチームメイトを0.023秒差で上回わりポールを獲得。2列目には跳馬の2台が並んだ。パワーユニットのトラブルにより予選ノータイムに終わったアルファロメオのアントニオ・ジョビナッツィは19番手、FP3で発生したクラッシュの影響で予選に参加できなかったトロロッソ・ホンダのアルボンはピットレーンからスタートした。
公式タイヤサプライヤーの伊ピレリは今年のF1中国GPに、C4コンパウンドをソフト(赤)、C3をミディアム(赤)、そしてC2をハード(白)として投入。上位5台は中古ミディアム、ジョビナッツィとアルボンを除く11番手以下は新品ミディアムをスタートタイヤに選んだ。
レースでは最低2種類のコンパウンドを使用する義務があり、多くのチームはハードタイヤを第二スティントに投入。上位6台と入賞圏外でチェッカーを受けたチームの多くは、2ピットストラテジーを採用した。
注目のオープニングラップでは、2番手ハミルトンがポールシッターのボッタスをターン1でオーバーテイク。二人の攻防にベッテルが煽りを受け、フェラーリの2台も順位が入れ替わった。その後のターン6では、カルロス・サインツとダニール・クビアトが接触。これにランド・ノリスが巻き込まれた。
コース上にデブリが飛散したため バーチャルセーフティカー(VSC)がコール。マクラーレンの2台は予定外のピットを強いられ、それぞれハードタイヤに履き替えた。2台はその後、ペースが上がらずフィールド後方に停滞。ノリスは残り4周でリタイヤを選択、サインツは14位完走に終わった。
クビアトはコース上に留まり、アルファロメオやウィリアムズを軽快にオーバーテイクし順位を挽回するも、レース・スチュワードは接触の責任はクビアトにあるとの裁定を下し、ドライブスルーペナルティを課した。ポイント獲得の期待が寄せられたクビアトであったが、こちらも43周目にガレージへと引っ込んだ。
1周目にチームメイトを交わして3番手に浮上したルクレールであったが、その後のペースは上がらず、前を行くシルバーアローとのギャップは拡大。ピットは11周目にチームオーダーを発動して順位の入れ替えを指示。ベッテルが3番手を取り戻した。
メルセデスの2台は、終始他を圧倒するスピードで後続とのギャップを拡大。2台同時でのダブルピットストップを敢行するほどの余裕を見せつけた。フェラーリには彼らに太刀打ちできる程のパフォーマンスはなく、フェルスタッペンに対する防戦で精一杯。一台を生贄に差し出す格好となった。
レッドブル陣営は2度に渡ってアンダーカットを仕掛け、ポジション奪取を模索。その度にフェラーリ陣営が反応し、戦略面とトラック上の両方で激しいバトルが繰り広げられた。
1度目の抗争では、ハードタイヤの温まりが悪くフェルスタッペンの接近を許したベッテル。サイドバイサイドの激しい攻防戦を経て無事にポジションを守ったものの、遅れてピットに入らざるを得なかったルクレールは、フェルスタッペンに順位を許した。
ミッドフィールド最上位はルノーのダニエル・リカルド。チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグもまた事実上のポイント圏内を走行していたが、18周目にリタイヤを喫した。チームの公式発表では「本人がトラブルを報告してきたため」としており、詳細は明らかにされていない。
2019年F1第3戦中国GP決勝リザルト
Pos | No | Driver | Team | Laps | Time | PTS |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 56 | 1:32:06.350 | 25 |
2 | 77 | ボッタス | メルセデス | 56 | +6.552 | 18 |
3 | 5 | ベッテル | フェラーリ | 56 | +13.744 | 15 |
4 | 33 | フェルスタッペン | レッドブル | 56 | +27.627 | 12 |
5 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 56 | +31.276 | 10 |
6 | 10 | ガスリー | レッドブル | 56 | +89.307 | 9 |
7 | 3 | リカルド | ルノー | 55 | +1 lap | 6 |
8 | 11 | ペレス | レーシングポイント | 55 | +1 lap | 4 |
9 | 7 | ライコネン | アルファロメオ | 55 | +1 lap | 2 |
10 | 23 | アルボン | トロロッソ | 55 | +1 lap | 1 |
11 | 8 | グロージャン | ハース | 55 | +1 lap | 0 |
12 | 18 | ストロール | レーシングポイント | 55 | +1 lap | 0 |
13 | 20 | マグヌッセン | ハース | 55 | +1 lap | 0 |
14 | 55 | サインツ | マクラーレン | 55 | +1 lap | 0 |
15 | 99 | ジョヴィナッツィ | アルファロメオ | 55 | +1 lap | 0 |
16 | 63 | ラッセル | ウィリアムズ | 54 | +2 laps | 0 |
17 | 88 | クビサ | ウィリアムズ | 54 | +2 laps | 0 |
18 | 4 | ノリス | マクラーレン | 50 | DNF | 0 |
NC | 26 | クビアト | トロロッソ | 41 | DNF | 0 |
NC | 27 | ヒュルケンベルグ | ルノー | 16 | DNF | 0 |
コンディション
天気 | 曇り |
---|---|
気温 | 19℃ |
路面温度 | 29℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1中国GP |
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レース種別 | 決勝 |
レース開始日時 |
サーキット
名称 | 上海インターナショナル・サーキット |
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設立 | 2004年 |
全長 | 5451m |
コーナー数 | 16 |
周回方向 | 時計回り |