ホンダF1エンジン、メルセデス・フェラーリとの性能差は20馬力 と伊メディア
母国鈴鹿に投入されたホンダの最新版F1エンジン”スペック3″は、信頼性の部分で改善の余地があるもののパフォーマンスは飛躍的に向上。イタリア版Motorsports.comは、ホンダの新型エンジンは、トップを走るメルセデスとフェラーリに対して20馬力に迫る性能を発揮していると考えている。
40馬力、1周あたりコンマ5秒のゲインがあると目されるスペック3を搭載したスクーデリア・トロロッソSTR13は、鈴鹿サーキットで開催された日本グランプリ予選でその俊足を発揮。ブレンドン・ハートレーが6番手、ピエール・ガスリーが7番手につけた。
とは言え、20馬力という数値はレースパフォーマンスに限ったことで、一発のパワーが求められる予選に関しては依然として大きな開きがある。F1パワーユニット・サプライヤーはいわゆる”予選選専用モード”を用意しているが、ホンダは競合に比べてその部分で遅れを取っている。
ホンダのPU研究開発拠点、HRD Sakuraで開発が進められている次の改良型エンジンには、予選モードの改善が求められている。報道によれば、ホンダは今季最終アブダビGP後に行われる公式テストで、この新しいパワーユニットをテストする可能性があるという。
伊メディアが20馬力と報じた一方で、独のメディアはホンダとメルセデスの性能差を10~15馬力と推計。F1に参戦するエンジンメーカー4社は自社のPUの馬力を公表していないため、紙面を賑わす数値の全ては推測値に過ぎないが、両メディア共にスペック3が大幅なパワーアップを達成したという点で、共通の見解を示している。だが実際には、トップチームとの差は更に小さい可能性がある。
卸したてのスペック3は調整不足の状態であり、ホンダは母国レースでの不測の事態を避けるべく、そのポテンシャルの全てを絞り出す事はしなかった。次戦アメリカGPでは真の実力が明らかになる見通しとなっている。
ホンダは来年、”レッドブル・ホンダ”としてトップチームの一角を形成する事になるが、そのマシンRB15は空力の鬼才エイドリアン・ニューウェイが全面監修。車体性能のアドバンテージによって、エンジン性能のギャップの一部が相殺される可能性は高い。
新生レッドブル・ホンダは来シーズン、チャンピオンシップ争いに名乗りを上げる事ができるだろうか? まずは日本時間10月18日金曜24時から行われるF1アメリカGPでのトロロッソ・ホンダのパフォーマンスに注目したい。