WECトヨタ:凱旋勝利に向けて1-2の好発進「感触は良い」とアロンソ / 第4戦 富士6時間《初日》
FIA世界耐久選手権(WEC)第4戦富士の公式練習初日が10月12日(金)に静岡県富士スピードウェイで行われ、ポイントリーダーとして富士に凱旋したTOYOTA GAZOO Racingの2台が2度のセッション両方で1、2番手タイムをマーク。順調な滑り出しをみせた。
1時間半ずつ2回予定されていた公式練習走行は、コース外走行で車速を低下させるために路肩に設置された突起が早期に破損するアクシデントにより、両セッションで赤旗中断が発生。公式練習1回目は30分、2回目は10分間予定よりも終了時間が延長された。
中嶋一貴/セバスチャン・ブエミ/フェルナンド・アロンソの3名がドライブするTS050 HYBRID 8号車が両セッション共にトップタイムを刻み、2回目のセッション開始直後にはこの日の最速タイム1分23秒973をマーク。小林可夢偉/マイク・コンウェイ/ホセ・マリア・ロペスの3名がドライブするTS050 HYBRID 7号車は8号車に1秒095差の1分25秒068をマークし、2番手で初日を終えた。
今回、チームメンバーの有志20人がル・マン優勝の御礼とWEC富士レースの優勝を祈願し、長年夢に描いていた富士山への登頂に挑戦。7日(日)の午前中に無事、標高3776mの富士山頂に到達。標高540mの富士スピードウェイへと戻ったチームは、厳かな気持ちで初日の公式練習走行へ向けての準備に取りかかった。
今大会では、TS050 HYBRIDと、ノン・ハイブリッドのライバルとのパフォーマンス差を再調整するために、新たに26kgの重量追加が課されている。
朝方まで降っていた雨により、午前11時からの公式練習1回目は半乾きの路面状況でスタート。2台のTS050 HYBRIDは、軽雨量用のインターミディエイトタイヤでコースインした。開始から15分、路肩の破損によりセッションは赤旗中断。この影響でセッション終了時間が30分延長となったため、予定していたセットアップ及びタイヤの評価作業への影響は最小限に留まった。
午後3時半から行われた公式練習2回目はドライコンディション。1回目と同じアクシデントで、合計40分間にわたる赤旗中断に見舞われた。セッションは10分間延長。日没ぎりぎりまで行われたセッションでは、メカニカル及び空力、そしてハイブリッドシステムの調整作業を進めた。
午後5時10分、2台のTS050 HYBRIDは、計146周をトラブル無く走破し、ベストタイムでは3番手のライバルに1.724秒差をつけてこの日の走行を終えた。計666kmの走行で得られた様々なデータを解析し、明日の予選、日曜日の決勝へ向けてベストセッティングを煮詰めていく。
WEC第4戦 富士6時間レース初日を終えて
フェルナンド・アロンソ(8号車)
良い一日だった。黄旗や赤旗が多かったため、期待していたほどの周回は出来なかったけどね。僕にとってはWECでの富士を走る初めての機会だったから、もう少し走りたかった。クルマのバランスに関してはもう少し細部を詰める必要はあるものの上々で、全般的には良い感触だ。満足だよ。明日もトラブルの無い一日であることを祈ってる。
中嶋一貴(8号車)
今年も富士に戻ってくることが出来てとても嬉しく思っています。特に今回は念願のル・マンでの勝利の後だけに格別です。今日は、長い赤旗中断がありましたが、それ以外は全てがとても順調で、概ね満足しています。走行時間は短くなりましたが、TS050 HYBRIDは本当に力強く、好調です。まだやるべきことはありますが、全体的に感触は良く、決勝レースへ向けて順調に仕上がっています。
セバスチャン・ブエミ(8号車)
前戦から長いインターバルだったけど、再びTS050 HYBRIDを運転できるのは良い気分だし、まずまず順調な一日だった。僕自身はあまり多く走れなかったけど、ここまでの状況には満足だし更に良くなることを期待している。7号車との僅差での争いになると思うから、予選と決勝レースが楽しみだ。明日もドライコンディションで走れれば最高だね。
小林可夢偉(7号車)
今日は午前、午後いずれのセッションでも長い時間の赤旗が出たので、自分自身の予定していた周回数を走ることが出来ませんでした。その中で、最適なバランスに仕上げるため、全力を尽くしましたが、まだやるべきことはあります。今日は限られた時間の中で最善を尽くし、多くのデータを取ることもできました。明日はさらにクルマを向上させるつもりです。
マイク・コンウェイ(7号車)
なんとか予定の評価項目をこなし、様々なセッティングを試すことができた。第1セクターと第2セクターはかなり高速だけど最終セクターはコース幅も狭くテクニカルだから、最適なセットアップを見つけるのが難しく、コース全体でのバランスをとるのに苦労している。毎回チャレンジングだけど、予選と決勝に向けて良い流れを作れるように頑張るよ。
ホセ・マリア・ロペス(7号車)
全体的には良い一日だったけど、ドライ路面の富士を走ったことがなかったから、もう少しドライで走りたかった。トラフィックがあったにも関わらず、まずまずの最速ラップだった。クルマのバランスに100パーセント満足はできてないから、引き続き改善していく必要がある。今のところ8号車より少し後ろにいるけど、明日はこのギャップを近づけたい。
テレビ放送はJ SPORTSが予選と決勝を生中継する。視聴にはスカパーやひかりTVとの契約が必要となる。予選は10月13日(土)午後1:50から、決勝は14日(日)午前10:30から放送される。