
ザウバー
チームデータ
チーム名 | ザウバー |
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国籍 | スイス |
本拠地 | ヒンウィル |
参戦初年度 | 1993年 |
WEBサイト | www.sauberf1team.com |
SNS | twitter facebook instagram |
スイス・ヒンウィルに本拠を構えるザウバー(Sauber)は、FIA F1世界選手権において長い歴史と独自の存在感を誇るレーシング・コンストラクターである。1970年、アマチュアレーサーだったペーター・ザウバーによって設立された同チームは、スポーツカーレースでの成功を礎に、F1の世界へと歩を進めた。
Courtesy Of BMW AG
2008年のF1カナダGPで1-2フィニッシュを飾ったBMWザウバーの面々、ロバート・クビサとニック・ハイドフェルド
Courtesy Of Sauber
イルモア3.5リッターV10エンジンを積むザウバーC12(F1参戦初マシン)を駆るJ.J.レート、1993年開幕南アフリカGP キャラミGPサーキットにて
F1デビューは1993年、数々の名ドライバーを輩出
ザウバーは1993年、自身の名を冠したチームでF1デビューを果たした。デビュー以前からミハエル・シューマッハやハインツ=ハラルド・フレンツェンといった後のF1スターを輩出しており、育成力にも定評があった。
F1参戦後は中堅チームとして安定した活躍を続け、2001年にはキミ・ライコネンとニック・ハイドフェルドのコンビで、コンストラクターズランキング4位を記録。チーム史上最高成績を達成した。
Courtesy Of Sauber
ザウバー時代のキミ・ライコネン、2001年
BMWワークス時代と名門ブランドとの連携
2005年から2009年にかけては、BMWのワークスチームとして参戦。ザウバーは一貫して、メルセデスやフェラーリなど著名なマニュファクチャラーとの連携を重視し、時にワークスチーム、時にジュニアチームとしてF1を戦ってきた。
競争力のあるマシンを製造するだけでなく、有望な若手ドライバーの育成でも高く評価されている。フェリペ・マッサや小林可夢偉、セルジオ・ペレス、シャルル・ルクレール、ロバート・クビサやセバスチャン・ベッテルと言ったドライバーもザウバーにその才能を見出された。
Courtesy Of Sauber
F1デビュー戦に臨むBMWザウバーのセバスチャン・ベッテル、2007年カナダGPにて
copyright sauberf1team.com
2012年F1日本GPで表彰台に上がった小林可夢偉とザウバーチームの面々
アルファロメオ時代と“ザウバー”の名の一時消滅
2017年11月、フィアット・クライスラー・グループ(FCA)傘下のアルファロメオとのタイトルスポンサー契約を締結。戦略・商業・技術の三方面で協力体制を築き、2018年シーズンは「アルファ・ロメオ・ザウバーF1チーム」として参戦した。
2019年にはチーム命名権を売却し、「アルファロメオ・レーシング」へと改称。「ザウバー」の名はF1から一時的に姿を消すこととなった。
©formula1.com 創設者のペーター・ザウバー
株式売却、アウディの完全買収でザウバー新時代へ
2022年8月、ドイツの自動車メーカー・アウディは、2026年からF1に新規参戦する計画を発表。同年10月には、ワークスチームとしてザウバーと提携することを明らかにした。
当初は段階的な株式取得による提携が前提とされていたが、計画はより踏み込んだものへと進展。2024年3月、スイスの持株会社イスレロ・インベストメンツAGと合意し、ザウバー・ホールディングAGの株式を100%取得することを正式に発表した。これにより、2026年のF1参戦時点でザウバーを完全子会社とし、名実ともに自社のワークスチームとしてF1に挑む体制を整えた。
さらに同年11月にアウディは、カタールの国営ファンドであるカタール投資庁(QIA)にザウバーの「大口の少数株式」を売却すると発表。新たな資本支援を得た。複数の報道によると約30%の株式を売却したと見られている。
こうした状況を背景に、2024年と2025年は暫定的に、オンライン賭博企業「ステーク(Stake)」との命名権契約により「ステークF1チーム・キック・ザウバー(Stake F1 Team Kick Sauber)」の名でF1に参戦。2026年には「アウディF1チーム」として再出発を切る。