
撤退説を一蹴、アウディがザウバー完全買収でF1参戦を加速…総代表にホフマン
幾度にもわたって囁かれてきた計画撤回の憶測を払拭するかのように、アウディはF1第2戦サウジアラビアGPの2日目を迎えた3月8日(金)、ザウバーの完全買収を発表し、2026年のF1参戦に向けた決意を改めて示した。
「撤退説」を一掃した完全買収の決断
アウディは2022年8月、新たな技術レギュレーションが導入される2026年から、ワークスチームとしてF1に参戦することを発表。その約半年後には、ザウバーの「過半数未満」の株式を取得したことを明らかにしていた。
今回の買収により、ペーター・ザウバーが1993年に設立した「ザウバー」の名は、あと2年でF1から姿を消すことになった。
Courtesy Of AUDI AG
アウディCEOのマルクス・ドゥスマン、2023年4月18日上海オートショーにて
当初は最終的に出資比率を75%まで引き上げるとの憶測もあったが、アウディは同日、現在の大株主であるイスレロ・インベストメンツAGとの間で、ザウバー・ホールディングAGの株式を100%取得することで合意に至ったと発表した。この取引は、アウディおよびフォルクスワーゲン両社の監査役会で承認された。
アウディAGのマンフレッド・デス監査役会会長は、「F1への参戦は、モータースポーツにおけるアウディの成功の歴史の頂点であるだけでなく、財政的なコミットメントと同様に大きなスポーツ的挑戦でもある。オリバー・ホフマンの責任の下、ザウバー・グループの完全買収を進めることで、2026年シーズンに向けた準備を加速させていく」とコメントした。
ザイドル続投、レース現場の“顔”は不変
また、2023年1月にザウバー・グループの最高経営責任者(CEO)に就任したアンドレアス・ザイドルが、買収後も引き続き同職に留まることが明らかにされた。
ザイドルは「レースチームの顔」としてF1プロジェクトの遂行とアウディF1チームのマネジメントを担う。アウディは明言していないものの、チーム代表を兼任する形になると見られている。
「アウディF1チームのCEOとして、モチベーションに満ちたチームとともにアウディをF1へ導くことを楽しみにしている」とザイドルは語った。
「ノイブルクだけでなくヒンウィルにおいても、同様に競争力を高めていくための明確なロードマップがある。野心的な目標の実現に向けた取り組みは、AUDI AGによるザウバーの完全買収によって、さらに加速されるだろう」
Courtesy Of Audi
アウディF1チームの最高経営責任者(CEO)に就任するアドレアス・ザイドル
総代表にホフマン、ダカール初優勝の立役者
スイスの名門チームであるザウバー、ドイツ・ノイブルクに拠点を置くアウディ・フォーミュラ・レーシングGmbHによるパワーユニット開発、そしてAUDI AGによるプログラム全体の戦略的運営という「3本柱」を統括する新たな職務「総代表」は、オリバー・ホフマンが務める。
ホフマンはあわせて、アウディ・フォーミュラ・レーシングGmbHの株主委員会議長および、ザウバー・グループ全体の取締役会会長にも就任する。
これに伴いホフマンは、アウディAGの技術開発担当取締役を退任。ゲルノット・デルナーCEOが現職に加えて技術開発部門の責任者を兼任し、アウディ・アジェンダに定められた製品および技術の優先順位に基づき、より効率的で責任の明確な体制の構築を主導する。
ホフマンは、技術開発担当取締役およびアウディ・スポーツの責任者として、カスタマーレースやDTM、フォーミュラEでの優勝を含む豊富な実績を持つ。近年では、ダカール・ラリーにおいて電動e-tron quattro四輪駆動システムを搭載したアウディを、初の総合優勝へと導いた人物でもある。
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アウディAG技術開発担当取締役オリバー・ホフマン