ローンチカラーが施されたアウディF1のショーカー (8)
Courtesy Of Audi

買収なるか? アウディ、2026年F1参戦に向けザウバーとファクトリー契約!株式取得

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ドイツの高級車メーカー、アウディはF1第20戦メキシコGPを週末に抱えた10月26日(水)、2026年からのF1参戦プロジェクトの戦略的パートナーとして、約30年のF1参戦経験を持つザウバー・モータースポーツAGと提携すると発表した。

これに伴いアウディはザウバー・グループの株式を取得する。購入の時期や株式保有比率は明らかにされておらず、買収と呼べるほどの規模に至るかどうかは不明だ。

現在「アルファロメオ」を名乗りF1に参戦するスイス・ヒンウィルのチームは、アウディのファクトリーチームとして新たなパワーユニット(PU)規定が導入される2026年以降のF1を戦う。

ザウバーはヒンウィルのファクトリーでシャシーの開発・製造を行うと共に、レース運営の計画・実行を担当する。

パワーユニットはノイブルク・アン・デア・ドナウにあるアウディのモータースポーツ・コンピテンスセンターで開発・製造される。

電気モーター、バッテリー、制御システム、ICE(内燃エンジン)で構成されるPUの開発作業は既に本格的に進められており、120人以上の従業員が取り組んでいる。

アウディは遅くとも2023年には人員、建物、技術インフラの面で、ノイブルクのファクトリーの拡張をほぼ完了させるとしている。2026年仕様のPUを搭載したF1マシンでの初テストは2025年を予定する。

ザウバーについてアウディの技術開発担当役員を務めるオリバー・ホフマンは「経験豊かで有能なパートナー」であるとして「強力なチームを作り上げられると確信している」と述べた。

アウディ・スポーツは成功のルマン時代及び、DTMのクラス1ツーリングカーの開発に際してザウバーが持つ最先端の風洞を利用してきた。両者の拠点は車で4時間ほどの距離にある。

ザウバー・ホールディング会長のフィン・ラウシングは「両社が同じ価値観とビジョンを共有していることは明らかだ。共に掲げる共通の目標を達成することを楽しみにしている」との談話を発表した。

またチーム代表兼CEOのフレデリック・バスールは「アウディの公式ワークスチームとなることは名誉であると同時に大きな責任でもあり、また将来に向けて最良の選択肢だと考えている。我々はアウディがF1プロジェクトで掲げる目標の達成に貢献できると確信している」と述べた。

F1は2026年より新たなパワーユニット・レギュレーションを導入する。MGU-H廃止の一方、エネルギー回生システム(ERS)による出力は現行の約3倍に相当する350kW(約476馬力)へと引き上げられる。

ICE(内燃エンジン)は1.6リッターV6のレイアウト、回転数を維持する一方、燃料流量は削減される。ただ、それでも約400kW(約544馬力)の出力を目指す。PU全体の出力は約1020馬力となる見込み。

更に燃料は非可食性植物由来、廃棄物由来、持続可能な炭素回収のいずれかに限られる。