1周目の事故がなかった場合、アロンソはレッドブル勢と優勝を争っていたのだろうか?
僚友ランス・ストロールに追突されなかった場合、フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)はF1バーレーンGPでレッドブルを相手に優勝、あるいは2位争いを繰り広げていたのだろうか?
ストロールはオープニングラップのターン4で止まり切れず、チームメイト駆るもう一台のAMR23の右リアホイールに突っ込んだ。
最終的には華麗なるオーバーテイクショーによって取り戻したものの、1周目の事故によりアロンソはメルセデス勢に対して2つポジションを失った。奪還には37周を要した。
57周のレースを終えて、もしスタート時の一件がなければレッドブルとやり合えたと思うか?と問われたアロンソは次のように答えた。
「第1スティントでタイムロスがあったのは明らかだ。最初のスティントでは兎に角、メルセデスの後方にいるしかなかった」
「第2スティントではジョージ(ハミルトン)とバルテリ(ボッタス)を追い抜かねばならず、最終スティントではルイス(ハミルトン)とカルロス(サインツ)を交わさなきゃならなかった」
「全体としてバトルに費やした分として、10秒あるいは15秒を失った事は間違いない」
アロンソは優勝したマックス・フェルスタッペンから38.637秒、2位セルジオ・ペレスから26.65秒遅れの3位でフィニッシュした。「レッドブルとはまだ、ガチンコ勝負できなかっただろう」とアロンソは結論付けた。
なお平均レースペースに関して言えば、アロンソは3つのスティントの全てでペレスを上回った。ペレスは第2スティント中間の25周目までシャルル・ルクレール(フェラーリ)を追う展開だった。
ドライバー | 第1S | 第2S | 第3S |
セルジオ・ペレス | 1:40.0(S) | 1:38.1(S) | 1:37.1(H) |
フェルナンド・アロンソ | 1:38.9(S) | 1:37.5(H) | 1:36.9(H) |
「AMR23」の強みとしてアロンソは、先代同様タイヤに優しい点だと指摘し、競争力が全く「メガ」ではなかった1ラップペースの改善が今後の課題の一つだと主張した。タイヤのデグはフェラーリやメルセデスより遥かに良好だった。
バーレーンではアストンマーチンがスポットライトを浴びたが、次戦サウジアラビアGPはまた少し違った展開になるかもしれない。チーム代表のマイク・クラックはサウジアラビアでの序列について、自分たちを4番目か5番目と位置づける。
ジェッダ市街地コースの路面はバーレーンとは対照的に非常に滑らかで、高いグリップ力を提供する。タイヤのオーバーヒートも少なく、摩耗やデグラデーションはあまり問題にならない。この点でレッドブルやアストンマーチンのアドバンテージは弱まる。
また、時速310kmオーバーのロングストレートが3箇所もあり、コーナーは超高速と低速に限られる。これはアストンマーチンにとって大きな障害となり得る。一方、フェラーリにとっては大きなチャンスとなりそうだ。