フェルスタッペン、3連覇に向け極上発進…バーレーン完勝の鍵と次戦サウジの見通し
2023年シーズンの初戦、バーレーンGPを制したのはディフェンディング・チャンピオンのマックス・フェルスタッペンだった。F1ライバーズタイトル3連覇に向け、これ以上ない好スタートを切った。
プレシーズンテストの段階から最強・最速の評価が相次いだレッドブル「RB19」は、プラクティスでこそバランスを崩してドライバーを手こずらせたが、予選ではフェルスタッペンにポールを授け、決勝ではデグラデーションの低さと好ペースを背景に支配的なパフォーマンスを発揮した。
国際放送がほとんどその姿を映さないほどの圧勝だった。25歳のオランダ人ドライバーは最初の10周で後続との差を一気に7秒にまで広げ、その後はクルージング。僚友セルジオ・ペレスに11.987差を付けて今季初、自身初のバーレーン・ウィナーに輝いた。
フェルスタッペンにとってバーレーンでの初勝利は、肝心な時に無類の強さを発揮し、単に今日だけでなく、この先のシーズン全体でも無敵を誇るのではとライバルに警戒させるに十分なものだった。
この日の勝利の鍵についてフェルスタッペンは、第1スティントを通して後続に十分なギャップを築いた事で、その後、タイヤマネジメントに集中できた事が大きかったとの考えを示した。
バーレーン・インターナショナル・サーキットの路面にはイギリス産の花崗岩が使われており、タイヤへの攻撃性が高く、例年2ストッパーが主流となる。
その傾向は今年も変わらず、終盤に向けてバーチャル・セーフティーカー(VSC)が導入されたこともあり、完走17台の内、8台は3回以上のタイヤ交換を行った。
後続のフェラーリはスティントの後半に向けてタイヤの性能劣化に見舞われたものの、フェルスタッペンは最後まで一度もペースを落とすことなく、コンスタントに1分36秒台を刻みつ付けた。
唯一、フェルスタッペンの勝利に暗雲が漂ったのは、シフトダウンの際にリアがロックするトラブルに見舞われた時だった。
だがこれについてフェルスタッペンは、過去数年来続いているもので「大したものではなかった」とし、ステアリング上のセッティング変更によって上手く対応できたと説明した。
次戦サウジアラビアGPでも同じように、驚くべきペースで以てレースを制してしまうのだろうか?
コース特性の違いを理由にフェルスタッペンは慎重な姿勢を見せ、「ストレートが速い」フェラーリに対する警戒を口にした。
「サウジはこことは全く違うサーキットだ。ストレートや高速コーナーが多く、デグラデーションも大幅に少ない」
「ここでの僕らの勝因の一つはデグラデーションが良好だった事にあると思う」
「レースペースという点で、次のジェッダではフィールド全体がここよりも接近するんじゃないかと思ってる」
2023年F1第1戦バーレーンGPの決勝レースはマックス・フェルスタッペンがポール・トゥ・ウインを果たし、2位にセルジオ・ペレスが続いた事でレッドブルが1-2フィニッシュを飾り、3位表彰台にフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)が滑り込む結果となった。
史上最速のF1ストリートサーキットを自称するジェッダ市街地コースでの次戦サウジアラビアGPは3月17日(金)のフリー走行1で幕を開ける。