ルクレール、第2戦で早くもグリッド降格ペナの可能性も…痛恨DNFで表彰台逃したフェラーリ
目指すはタイトルのみ、と強調するスクーデリア・フェラーリにとって、2023年シーズンの初戦は悪夢のような結末となった。3位表彰台に向けて突き進むシャルル・ルクレールがリタイヤを余儀なくされたのは57周のレースの40周目のことだった。
ルクレールは新品ソフトのアドバンテージを活かし、1周目にセルジオ・ペレスを交わし2番手に浮上した。26周目に奪い返されたものの、それでもレース終盤に向かって3番手を走行していた。後続の僚友、カルロス・サインツに対するギャップは10秒近くもあった。
レース7合目に達したところで、チーム無線に「ダメだ、ダメだ、ダメだ! パワーがない!」との悲痛な叫びが響いた。動力を失った16号車SF-23はコース脇に停車。バーチャル・セーフティーカー(VSC)が導入された。
ルクレールはレース後、フラストレーションと失望の表情を浮かべ「間違いなく表彰台を狙えた」と述べ、リタイヤさえなければ確実に15ポイントを得ていたはずだと主張した。
「後方とのギャップもあったし、ペースも管理できていたし、すべて順調だった。今はただ、何が悪かったのかを理解し、この問題がもう起こらないことを願うばかりだ」
RaceFansによるとチーム代表のフレデリック・バスールは、プレシーズンテスト、ダイナモでの走行を通して同じようなトラブルに見舞われた事はなく「正直なところ、何が起こったのかまだよく分からない」と述べ、次戦に向けて「徹底的に調査」していく考えを明らかにした。
つまり現時点ではトラブルの正確な原因は分かっていないわけだが、レース前の時点で既に不吉な兆候はあった。
シーズン最初の週末であるにも関わらずフェラーリは決勝を目前に控え早くも、年間上限目一杯となる今季2基目のES(バッテリー)およびCE(コントロール・エレクトロニクス)を16号車に投入していた。
これに関してフェラーリは、異常なパラメーターが確認された事による予防的措置としているが、バスール曰く、正確な事はまだ把握できておらず、ルクレールをリタイヤに追い込んだ問題との関連も不明だという。
正確な原因は明らかでないものの、ルクレールのオンボード映像を見る限り、ICE(内燃エンジン)などのハードウェアに関わるトラブルではなく電気系統の不具合のように見える。新たに投入されたPUコンポーネントが原因の可能性は否定できない。
仮にESあるいはCEの故障によるもので、レース前に交換した個体も再利用できない場合、ルクレールは第2戦サウジアラビアGPで早くもグリッド降格ペナルティを受ける事になる。
フェラーリの調査結果を待ちたい。
2023年F1第1戦バーレーンGPの決勝レースはマックス・フェルスタッペンがポール・トゥ・ウインを果たし、2位にセルジオ・ペレスが続いた事でレッドブルが1-2フィニッシュを飾り、3位表彰台にフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)が滑り込む結果となった。
史上最速のF1ストリートサーキットを自称するジェッダ市街地コースでの次戦サウジアラビアGPは3月17日(金)のフリー走行1で幕を開ける。