饒舌ペレス、躍進アロンソと古巣アストンいじる…開幕2位表彰台経てノリノリ
シーズン最初のレースで2位表彰台に上がったレッドブルのセルジオ・ペレスは心底ご機嫌だった。レース後会見では終始笑顔を見せ、レッドブル風の外観を持つアストンマーチンについて冗談を飛ばし、笑いを誘った。
2023年の初戦F1バーレーンGPでペレスは、予選で僚友マックス・フェルスタッペンに肉薄する走りを見せ2番グリッドを手にすると、決勝ではシャルル・ルクレール(フェラーリ)に一旦先行を許すも自力でこれを取り戻し2位でフィニッシュ。3位表彰台にはフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)が上がった。
フェラーリを真後ろから観察する機会があった事で、何か興味深い事実は発見できたか?と問われると「彼らのクルマについて多くのことを学んだよ。どこが弱点で、どこが強みだとかね」「この後のブリーフィングで、この採れたてピチピチの情報を急いでエンジニアに伝えないと」と笑った。
また、初戦を終えて、レッドブルのマシンと「非レッドブル・マシン」との差の大きさについて驚いたかと問われるとペレスは「3台のレッドブルのマシンが表彰台に上って嬉しいよ!」と冗談を飛ばした。
隣に座っていたフェルスタッペンやアロンソを含めて会見場は大きな笑いに包まれた。気を良くしたのかペレスは「僕らはみんな、レッドブルのドライバーだ!」と付け加えた。
野心溢れるローレンス・ストロール率いるアストンマーチンは元レッドブルの空力責任者、ダン・ファローズを含む何名かのエンジニアを引き抜いた。レッドブル及びセバスチャン・ベッテルによるWタイトル4連覇の立役者の一人だ。
新たにテクニカルディレクターに就任したファローズ初監修の2023年型アストンマーチン「AMR23」は、レッドブルの昨季型「RB18」によく似たボディーワークを備え、プラクティスを含めたバーレーンの週末全体で一際輝くパフォーマンスを見せた。
アストンマーチンはペレスにとって、単なる古巣という以上に思い出深いチームだ。
フォース・インディアと呼ばれていた当時、慢性的な財政難に陥りチーム解体の危機にされされた際、ペレスはこれを救うべく法的手段に着手。その結果、ローレンス率いる投資家グループの資金によってチームは生きながらえる事となった。チームはその後、レーシングポイントを経てアストンマーチンへと改称された。
「何より、アストンとフェルナンドがここにいて本当に嬉しい。途方もない努力の成果だと思うし、フェルナンドにとっては移籍後初レースでの表彰台なんだから」とペレスは語った。
「彼らのクルマがかなり良いのは間違いないと思う。幾つかのコースでは確実に優勝候補になるだろうね。シーズンは本当に長いし何が起こるか分からない」
「こうしてこの場でフェルナンドとアストンに会えて、ただただ嬉しい」
フォース・インディア時代、ペレスは将来的に、同じスペイン語を母語とする2度のF1ワールドチャンピオン、アロンソのチームメイトになるのが夢だと語っていた。
シーズンを前に、2023年が引退を含めたキャリアの大きな岐路になるとしていたペレスがご機嫌なのは、初のチャンピオンシップ獲得に向けて手応えを得たからだろう。
ペレスは改善の必要があるとしながらも「快適だしクルマには満足してる」「毎セッションで彼に近づいている」と述べ、フェルスタッペンに一泡吹かせる自信はあるのかと問われると「ああ、勿論さ」と答えた。
2023年F1第1戦バーレーンGPの決勝レースはマックス・フェルスタッペンがポール・トゥ・ウインを果たし、2位にセルジオ・ペレスが続いた事でレッドブルが1-2フィニッシュを飾り、3位表彰台にフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)が滑り込む結果となった。
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