自身に追突した僚友ストロールを「ヒーロー」と称したフェルナンド・アロンソ
アストンマーチン移籍後初のレースで3位表彰台に上がったフェルナンド・アロンソは、レース開始直後に自身に衝突してきたにも関わらず、僚友ランス・ストロールを「ヒーロー」と称した。
3月5日のF1開幕バーレーンGPで5番グリッドに着いたアロンソは、オープニングラップのターン4でストロールに接触された。あわや同士討ちかという緊張のシーンだった。
Turn 4 contact between Stroll and Alonso 💥😮#BahrainGP #F1 pic.twitter.com/UeliQNu4D8
— Formula 1 (@F1) March 5, 2023
幸いにもスピンやパンク、車体に対するダメージはなく、2台ともがレースを続行したが、右リアホイールに衝撃を受けたアロンソはメルセデス勢に対して2つポジションを失った。
それでもこの日のAMR23のペースはメルセデスがその追撃を凌げるようなものではなく、アロンソは13周目にジョージ・ラッセルを、残り19周でルイス・ハミルトンを攻略。順位を取り戻した。
そしてラスト10周で同郷の後輩、カルロス・サインツ(フェラーリ)を交わして3位でチェッカーを受けると、表彰台の上で久々のシャンパン(ローズウォーター)を楽しんだ。
1周目の接触についてレース中、アロンソはその相手をラッセルだと考えていた。チームはストロールである事を伝えていなかった。
レースエンジニアのクリス・クローニンはレース後、「君がハミルトンを抜こうとスイッチバックした時、ランスはジョージを抜こうとしていてね。それで止まり切れなかったんだ。どちらのクルマにもダメージはなかったから万事問題ない」とアロンソに伝えた。
そのストロールは手首と足の指を骨折していたにも関わらず、ラッセルを抑えて6位でフィニッシュし、アストンマーチンのコンストラクターズ選手権2位浮上に貢献した。
アロンソはチェッカーを受けた後、チームに無線で次のように語りかけた。
「みんなの事を心から誇らしく思う。最高だ。それはさておき、ランスは僕のヒーローだ。彼のパフォーマンスには驚かされた」
そして自身のInstagramに「ランス・ストロール、君は僕にとっての”ドライバー・オブ・ザ・デイ”だ。手術から12日。信じられないようなパフォーマンスだった」とのメッセージを書き込んだ次の画像をアップした。
アロンソにとってこの日の結果は、キャリア通算表彰台記録を99回に伸ばすものだった。バーレーンでの登壇は優勝した2010年以来、13年ぶりだった。
これほどポジティブな気分になったのはいつ以来かと問われたアロンソは、フェラーリに所属していた10年前のシーズンに言及した。
「2013年かな。バルセロナ(第5戦スペインGP)の後、チャンピオンシップをリードしていた時だ」
「あの時はタイトル獲得に足るパッケージがあったんだ。でもその後は今ほど良い気分じゃなくなったけどね」
2023年F1第1戦バーレーンGPの決勝レースはマックス・フェルスタッペンがポール・トゥ・ウインを果たし、2位にセルジオ・ペレスが続いた事でレッドブルが1-2フィニッシュを飾り、3位表彰台にフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)が滑り込む結果となった。
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