F1オーストリアGP金曜初日のレッドブルリンクcopyright Getty Images / Red Bull Content Pool

F1は7月のオーストリアで開幕出来る?レッドブル・リンクが復帰戦の舞台に選ばれた理由

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依然として新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック収束の見通しは立っていないものの、一部には第一波のピークを迎えたとの認識を示す国や地域もあり、モータースポーツ界としてはNASCARが30日(木)に他に先んじて、いち早くシーズン再開を発表。F1も確定事項ではないもののの、レッドブル・リンクでのオーストリアGPでのシーズン開幕に躍起になっている。

F1トップがオーストリアでの開幕に言及

F1のチェイス・ケアリーCEOは今週頭に発表した声明の中で、今シーズンは7月3日~5日のオーストリアGPを開幕戦として年間15~18戦を執り行い、12月のアブダビで締め括る計画を明らかにした。

同CEOは「現実には多くの問題を解決しなければならない」として楽観視していない事を強調するが、トップが再編後の具体的なカレンダーに言及したのはこれが初めてで、その意味で大きな意味を持っている。

レッドブルのヘルムート・マルコ顧問によれば、オーストリアGPの現地プロモーターは5日(日)の翌週に再びレースを行う”ダブルヘッダー”の開催に強い意欲を示しており、仮に当初の計画通りに5日(日)のレースを開催できれば、2020年シーズンのF1はレッドブル・リンクでの2連戦で幕を開ける可能性が高い。

F1のチェイス・ケアリーCEO
© Getty Images / Red Bull Content Pool、F1のチェイス・ケアリーCEO

ポール・リカールでのフランスGPまでの開幕10戦が問答無用で中止・延期に追い込まれている状況にも関わらず、何故F1は山間の中に佇む旧A1リンクでのレースに望みを抱いているのか?

レッドブル・リンクが復帰戦に選ばれた理由

F1のスポーティング・ディレクターを務めるロス・ブラウンは1日(金)に公開されたポッドキャスト「F1 Nation」の中で、レッドブル・リングでの初戦開催が理に叶っている理由として、シュピールベルクのコースが首都ウィーンから2時間と十分離れた場所にある事、そして関係者の出入国や機材の輸送に使う予定のツェルトベク飛行場が、サーキットから車で5分という近場にある事の2つを重要なポイントとして挙げた。

F1のスポーティング・ディレクターを務めるロス・ブラウンとレッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表、2019年ブラジルGPにて
© Getty Images / Red Bull Content Pool、ロス・ブラウンとレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表

「関係者全員に検査を受けてもらい、陰性である事を証明して初めてサーキットへの入場を許可する事が、ロジスティクス面で重要な課題だ」とロス・ブラウンは語る。

「一旦これが完了してしまえば、その生物圏内に全員を閉じ込め続けておく事で(外界との完全隔離が完成するため)、2度目のレースを行うことができる」

「全員の安全を確保するためには、様々な状況を十分にコントロール出来るような開催である必要があるが、これを探すのは本当に難しい。だがオーストリアはその条件にぴったりだ。サーキットのすぐ隣に地元の空港があり、そこから飛行機をチャーターすることができる。それに大都市に近すぎない」

「それに施設面も充実してる。モーターホームはないものの、サーキットにはケータリング施設が完備されており、その環境の中に全員を収容することができる。一度現地入りする事さえできれば、その翌週に再びレースができるのも魅力的だ」

「我々にはこのような状況下でF1レースを行った経験はなく、ドライバーやエンジニア、技術者やレースに関わる全ての人にとって安全な環境を用意するために、あらゆる要件に取り組んでいる」

オーストリアGP開催の実現性

オーストリア同様にイギリスやハンガリーもまた、イベント開催のためであれば平日開催だろうが、2デイイベントだろうが、ダブルヘッダーだろうが、形式は問わないとして、F1に全面協力する姿勢を明らかにしている。

シルバーストーンやハンガロリンクでのイベントがどうなるかについては、レッドブル・リンクでのレースが成功に終わる、つまり感染拡大の温床とならずにチェッカーフラッグを触れるかどうかに懸かっていると言えるが、オーストリアGPの開催そのものの確度は、第二波の到来がない限り高いと言える。

イベント開催に際しての最大の課題は現地当局の意向と判断だ。他の要素がどうであれ、開催地の政府トップが「No」と言えばそれで終了だが、オーストリアのヴェルナー・コグラー副首相兼スポーツ大臣はF1グランプリについて「無観客かつソーシャルディスタンスなど(パンデミックに関する)の条件を守れるのであれば、開催を阻害しない」と明言している。

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