WECトヨタ遂に始動!フェルナンド・アロンソ「世界最高のチームでルマンを戦えるなんて最高の栄誉」
いよいよWECトヨタ・ガズーレーシングの戦いが幕を開ける。2018年から2019年にかけて開催されるFIA世界耐久選手権(WEC)スーパーシーズン参戦するトヨタは、日本時間6日午後5時から南仏ポール・リカールで行われる合同テストに参加。7日(土)午後11時までの連続30時間に及ぶテストを足がかりに新シーズンに挑む。
ル・マン24時間レースでの勝利を目指しトヨタに加入したフェルナンド・アロンソは、セバスチャン・ブエミと中嶋一貴と共に最先端ハイブリッド・レースカーであるTS050 HYBRID#8号車でシーズンを戦う。2度のF1ワールドチャンピオンはF1との二足のわらじを履きながら、伝統と格式ある世界三大レースの全制覇=トリプルクラウンの夢に向かってその第一歩を踏み出す。
「世界最高のサーキットのひとつであるル・マンで行われるレースを、世界で最高のチームのひとつであるTOYOTA GAZOO Racingで戦うことが出来るというのは、僕にとって最高の栄誉であり、夢の実現だ」とアロンソ。「TS050 HYBRIDは素晴らしいレースカーだよ。LMP1ハイブリッド車両の技術は数年前には想像すらつかないものだった」
「トヨタはル・マンを始めとした耐久レースでの豊富な経験を持っている。素晴らしいチームに絶妙のタイミングで出会った。チームに感謝しながらも、このプロジェクトに携わる興奮を抑えきれない」
「今から6月の本番が待ち遠しくて仕方ないけど、その前に走行テストやシミュレーター訓練をたくさん行い、スパ・フランコルシャンでのレースをこなさなければならない。ル・マンを戦うにはそれだけの準備が必要なんだ。体力を蓄え、準備を整えなきゃね」
好敵手ポルシェが昨季限りで撤退した事で、今年のWEC LMP1クラスへ参戦する自動車メーカーはトヨタのみとなり、ノン・ハイブリッド勢とのマシンの性能差を解消するため技術規則が変更された。今季トヨタは、同じLMP1のライバル勢に対してハンデキャップを負いながら選手権争いにチェレンジする。
ノン・ハイブリッド勢には1周あたり約69%多いエネルギー量(最大燃料量)が与えられる。ル・マンの1周(13.6km)に換算すると、ノン・ハイブリッド車が最大210.9MJのエネルギー量(約5.2kg/周)を得られるのに対し、トヨタは最大124.9MJ(約3.1kg/周)とその差は大きい。
加えて、エンジンに供給できる最大瞬時燃料流量にも違いがある。トヨタに許されるのは毎秒22.8g(毎時80.2kg相当)だが、ノン・ハイブリッド勢は毎秒30.5g(毎時110kg相当)の使用が許可されている。車両重量に関しても、ライバルはハイブリッド車両に対し45kgも軽量。裏を返せば、これだけの制限をつけざるを得ないほどTS050 HYBRIDの性能は突き抜けている。
トヨタはWECデビュー時から継続的に、効率と性能の進化を遂げてきた。昨年型のTS050 HYBRIDは、2012年のトヨタのハイブリッドレースカーデビュー時と比較して35%の燃料削減を達成しながらも、ル・マン史上最速のラップタイムをマークしている。
最大の悲願であるル・マン24時間レースで勝利は達成されるのか?フェルナンド・アロンソは2冠を称号を手にし、来年のインディ500参戦への高いモチベーションを得る事になるのだろうか?今シーズンのWECは、5月5日に決勝が行われるベルギー、スパ・フランコルシャンで幕を開け、2019年6月15-16日のル・マン24時間レースでシーズンを終える。