WECバーレーン決勝:7号車が3連勝「チームの素晴らしい仕事の賜物」と小林可夢偉、トヨタがハイパーカー時代初代タイトルを獲得
FIA世界耐久選手権(WEC)第5戦バーレーン6時間レースが10月30日(土)にバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)が1-2フィニッシュを飾って今季全勝記録を維持。1週間後に控える最終戦を待たずして通算4度目、3年連続となるハイパーカー新時代最初のチームタイトルを獲得した。
暑く厳しいコンディションとなったこの日のレースでは、2番グリッドのGR010 HYBRID 7号車(小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペス)がトップチェッカーで3連勝を果たし、ポールポジションの8号車(中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー)が51.401秒遅れの2位に続いた。
最終スティントを担当した小林可夢偉は「チームが素晴らしい仕事をしてくれました。ハイパーカーでの世界タイトル獲得を全員で祝いたいと思います」と勝利を喜んだ。
「僕らは金曜日に少し苦戦しましたが、原因を見出し自信を持って決勝レースに臨む事ができました。決勝ではチーム全員が素晴らしい仕事をしてくれましたし、マイクとホセも力強いペースで走ってくれました。彼らのおかげで良いポジションで走ることができ、僕のスティントもとても順調でした」
「気温が僅かに下がっていた事が良かったのか、チェッカーまでのスティントを走った時はタイヤに大きな負担はなく、あとは後続とのギャップを保って最後まで走り切るだけでした」
マイク・コンウェイはチームタイトルを喜ぶと共に、ダブルヘッダー2戦目として行われる最終戦でのタイトル防衛に向けて「全力で挑むつもりだ」と意気込みを示した。
佐藤恒治TGRカンパニープレジデントは「圧巻の3連勝を勝ち取った7号車、そして、懸命の追い上げで着実に2位を掴んでくれた8号車、見事な1-2フィニッシュでの優勝おめでとう、そして、TGRチームに初代ハイパーカーチャンピオンをもたらしてくれて、本当に有難う!気温が35度まで達し、難しい熱マネジメントが求められる中、チーム全員の頑張りにより、素晴らしい結果をもたらしてくれました。そして、ドライバーたちの渾身の走りにも心から感謝します」とチーム全体の献身を讃えた。
気温が35℃近くまで上昇する難条件の中、8号車は7号車よりもタイヤの摩耗に苦しんだ。終盤にはピットストップが遅れてタイムをロス。フルコースイエローの影響もあり、チームメイトに追いつくチャンスを失った。
ブレンドン・ハートレーは7号車を「優勝に値する走り」と評し「僕らはタイヤの摩耗と幾つかトラブルに苦しめられた。次戦に向けて学んでいきたい」と語った。
中嶋一貴はドライバーズタイトルの可能性はまだ残っているとして「チームタイトルが決まったので、最終戦は楽しみながら全力でドライバーズタイトル争いができると思います」とバーレーン8時間レースでの逆転を誓った。
36号車アルピーヌはオープニングスティントでデンプシー・プロトン・レーシングのポルシェ88号車と接触してタイムをロス。トヨタから1周遅れでフィニッシュし、3位表彰台に上がった。
チームタイトルが決したことで、1週間後の11月6日(土)に迫るシーズン最終戦での注目はドライバーズチャンピオンへと移る。今季のル・マン24時間レースを制した7号車は僚友8号車に対し15ポイント差のポイントリーダーとして最終戦に臨む。
ハイライト動画
WEC第5戦バーレーン6時間 決勝結果(総合順位)
順位 | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
1 | #7 TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ GR010 HYBRID |
マイク・コンウェイ 小林可夢偉 ホセ・マリア・ロペス |
185 | |
2 | #8 TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ GR010 HYBRID |
セバスチャン・ブエミ 中嶋一貴 ブレンドン・ハートレー |
185 | 51.401 |
3 | #36 アルピーヌ・エルフ・マトムート/ アルピーヌ A480-Gibson |
アンドレ・ネグラオ ニコラス・ラピエール マシュー・バキシビエール |
184 | 1 Lap |
4 | #31 チームWRT/ Oreca 07-Gibson |
ロビン・フラインス フェルディナンド・ハプスブルク シャルル・ミレッシ |
180 | 5 Laps |
5 | #28 イオタ/ Oreca 07-Gibson |
ショーン・ゲラエル ストフェル・バンドーン トム・ブロンクヴィスト |
180 | 5 Laps |