2021年FIA世界耐久選手権（WEC）第2戦ポルティマオ8時間の決勝レースが6月13日(日)にアルガルベ・サーキットで行われ、2-3番手グリッドからスタートしたトヨタ勢が大きなトラブルなく1-2フィニッシュを飾った。

前日の予選でトヨタGR010 HYBRIDは、8号車（セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレー）が最前列2番グリッド、7号車（マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペス）が3番グリッドを獲得した。

レースはこの2台にポールシッターのアルピーヌ36号車を加えた三つ巴争いとなり、最後まで接近戦が繰り広げられた。最終的に1.8秒差で7号車を抑えきった8号車が開幕2連勝を達成。トヨタは1983年富士1000kmレースでのグループCデビュー以来、世界耐久での100戦目の節目に通算32勝目を挙げる事となった。

村田久武チーム代表は「ドライバー、エンジニア、メカニックの素晴らしい仕事に感謝している」と述べ、ミスなく最後まで戦い抜いたチーム全体の労をねぎらった。

開幕スパ6時間に続くこの日の勝利によりトヨタは、チーム選手権ポイントで2位との差を22点と拡大。ドライバーズ選手権においても8号車が2位7号車に20点差をつけ首位を維持する結果となった。

この日の勝利によってペドロ・ラミーと並んで通算19勝と、WEC史上最も成功したドライバーとなったブエミは、7号車と異なる戦略を取った事が「功を奏した」と述べ、ハートレーは「スタートから燃料消費を抑えたことで戦略の幅が広がり、これが成功に繋がった」と補足。中嶋一貴は大接戦を振り返り「こんな大変なレースで勝てて本当に最高。タイトルについて語るのは時期尚早だけど、少しでもポイント差を拡大できて良かった」と語った。

一方の7号車、コンウェイは「レース状況次第では違う結果になっていた」とコメント。ロペスもまた「セーフティカー導入までは好調に首位を維持していたが、あれで状況が一変してしまった」と述べ、悔しさをにじませた。

トヨタ勢はレース開始から2時間を前にコンウェイとハートレーにドライバーを交代。LMP2車両を追い抜きあぐねるハートレーを尻目に、コンウェイが8号車を交わして2位に浮上した。2台はレース半分を消化したところでアルピーヌ36号車を交わし、7号車の小林可夢偉と8号車中嶋一貴が約10秒差での首位争いを展開した。

残り3時間というタイミングでLMP2マシンがグラベルの餌食となりセーフティカーが導入されるとトップ3台の差は一気に縮まった。レースは残り2時間半で再開を迎え、ロペスに交代した7号車が首位をキープし、ブエミへと交代して燃料をセーブする8号車が2位に続いた。

そして迎えた残り30分というところでフルコースイエローが…8号車が最後まで走り切るべくステイアウトした一方、給油に向かった7号車は首位の座を失い、8号車の3秒後方でコースに復帰。8号車が今季2勝目を挙げた。

次戦モンツァは7月18日にレースが行われる。