エンジニアと会話するマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2025年3月23日(日) F1中国GP決勝レース(上海インターナショナル・サーキット)
Courtesy Of Red Bull Content Pool

”過剰反応”が生んだ誤算─フェルスタッペンとレッドブルのF1中国GP敗因分析

  • Published: Updated:

2025年FIA-F1世界選手権第2戦中国GPで、マックス・フェルスタッペンは4位に甘んじた。珍しくもスタート直後に順位を落とし、後半にかけて見事な追い上げを見せたものの、表彰台争いには加われず4位に甘んじた。

マルコ分析:第1スティントで慎重すぎた

レッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、フェルスタッペンがミディアムタイヤを履いた第1スティントで「慎重すぎた可能性がある」と指摘している。

「彼は、スプリントでのロングランでミディアムが急激に劣化したことを気にしていたのかもしれない」と語り、「ピットに呼び入れた時、彼はまだセクターでグリーン(自己ベスト)を出していた。つまりタイヤはまだ終わっていなかった」と指摘した。

フェルスタッペン自身も、慎重すぎたタイヤマネジメントが裏目に出た可能性を認めている。

リードするマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)と、その後方に続くシャルル・ルクレール(フェラーリ)と角田裕毅(レーシング・ブルズ)、2025年3月23日(日) F1中国GP(上海インターナショナル・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

リードするマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)と、その後方に続くシャルル・ルクレール(フェラーリ)と角田裕毅(レーシング・ブルズ)、2025年3月23日(日) F1中国GP(上海インターナショナル・サーキット)

スプリント結果に”過剰反応”ー見事な追い上げも届かず

ハードタイヤに交換した第2スティントでは、目覚ましいペースで走行し、残り4周でフェラーリのシャルル・ルクレールを華麗にオーバーテイク。6位から4位までポジションを回復した。

マルコは、「ハードでは先頭集団と同等のペースだった。しかし、すでに取り返しのつかない差がついていた」と振り返った。

チーム代表のクリスチャン・ホーナーも、「最初のスティントで時間を失った」と認めており、「ピットイン時にはピアストリに18秒差、最終的には16秒差だった。つまりハードでは競争力があった。昨日抱えたデグラデーションに引っ張られ、過剰反応してしまったのかもしれない」とコメントした。

このレースで得られたデータは、次戦日本GPに向けた改善材料として活用されることになる。フェルスタッペンは特に、第2スティントでの有望なデータを基に、鈴鹿での巻き返しに期待を示しているが、「どこをどう改善すべきか、あまり分かっていない」と漏らす。

コンストラクターズ選手権では、2連勝中のマクラーレンがリードを広げ、レッドブルとの差はすでに42ポイントにまで開いた。

ドライバーズ選手権では、フェルスタッペンがランキング2位につけているものの、首位ランド・ノリスとの差は8ポイント。僅差ではあるが、レッドブルにとって楽観視できない状況が続いている。

ホーナーは「まだ第2戦が終わっただけだ。そんなに悲観的になることはない」「昨シーズンが教えてくれたように、大事なのはどれだけ好スタートを切るか、ではなく、どう終えるかだ」と強調した。


2025年F1第2戦中国GPでは、オスカー・ピアストリがポール・トゥ・ウインを飾り、ランド・ノリスが2位に続いたことで、マクラーレンが1-2フィニッシュを飾った。3位表彰台にはジョージ・ラッセル(メルセデス)が滑り込んだ。

鈴鹿サーキットを舞台とする次戦日本GPは、4月4日のフリー走行1で幕を開ける。

F1中国GP特集