フェルスタッペン、リカルドに思い馳せる「ルノー初年度は彼にとって辛いシーズンだったはず」
レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは、ダニエル・リカルドにとって2019年は辛いシーズンになったに違いないと考えている。当時まだ10代だった2016年にレッドブル昇格を果たしたフェルスタッペンは2年半に渡り、リカルドを兄貴分のように慕ってきた。だが、陽気なオージーは2018年末を以て2年契約でルノーへと移籍した。
フェルスタッペン22歳に対してリカルド30歳。ジェネレーションギャップが生じるには十分なほど年が離れているが、2018年のアゼルバイジャンGPでの同士討ちに表れているように、2人は時折火種を抱えながらも、友好的な関係を築いてきた。
それは、異なるチームのライバル同士となった今も変わらない。2人はしばしばパドック内でふざけ合ってファンを楽しませ、ドイツGPの際は同じ飛行機に乗ってホッケンハイムまで移動した。
「初めてレッドブルに合流した年の僕は経験が浅く、シーズンを通して成長しチームとの関係を築いていかなきゃならなかった。でも彼とはお互いに激しくプッシュし合う間柄で、凄く良いチームメイトだった」とフェルスタッペン。オーストラリアの日刊紙The Ageに対して、リカルドと過ごした当時を振り返った。
「それはチームにとっても良い事だった。お互いに最後のコンマ数秒を絞り出すために戦った結果、チーム全体が勢いづいた」
「彼と一緒に仕事ができて良かったし、僕はあの時間が大好きだった」
異なる道を歩み始めた昨年、両者のレース成績は大きく開いた。フェルスタッペンが2019年シーズンに3度優勝を果たした一方で、リカルドは勝利はおろか表彰台にすら上がることはなかった。ルノーのマシンにレッドブル・ホンダと戦うだけの力がない事は明らかだった。
22歳のオランダ人ドライバーは、その才能を活かせない状況にあるかつてのチームメイトに思いを馳せる。
「(同じマシンに乗ったことがあるわけじゃないという点で)比較のしようがないから(6冠の)ルイス(ハミルトン)みたいなドライバーと比べる事は難しいけど、ダニエルは(2014年のレッドブル時代のチームメイトである)セブ(セバスチャン・ベッテル)よりも速かったし、僕は彼が本当に速いドライバーだという事を知るには、十分なほど長く一緒にレースをしてきた」
「ダニエルはいつも笑顔で凄く幸せそうに振る舞っているけど、レースに勝って表彰台に上がれていればもっとニコニコしていたはずさ。僕はダニエルの事をよく知ってるし、彼が本当に速いドライバーだって事も分かってる。だからこそ去年は、彼にとって楽なシーズンじゃなかっただろうと思う」