マックス・フェルスタッペン、レッドブル・ホンダRB16シェイクダウンにて
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開幕2連勝を意識するレッドブル・ホンダのフェルスタッペン

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初のF1ワールドチャンピオン獲得を目標に掲げるマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)はシーズン開幕2連勝を意識している。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行のインパクトは大きく、F1は現時点で開幕10レース全てが中止・延期されているが、2ヶ月後のレッドブル・リンクでシーズンを開幕させるべく、F1と国際自動車連盟(FIA)はレッドブルの全面的な協力を取り付け、現地政府の言質を取り付けるとともに感染症対策の詳細を詰めている。

舞台となるレッドブル・リンクは、フェルスタッペンが所属するレッドブルのお膝元というだけでなく、2018年と19年の2年連続で優勝を飾ったコースでもあり、過去5戦のキャリアの中での最低位(リタイヤを除く)が2位と、抜群の強さを誇っている。

フェルスタッペンはモナコの自宅からオーストリアの放送局ServusTVのスポーツトークショーに参加し「僕としてはレッドブル・リンクで2戦やりたい。あのサーキットを走行するのは大好きだし、過去2年は凄く良い結果だったからね」と語った。

安全基準の観点から実現の可能性は低いものの、リバースレイアウト案が俎上に乗るなど、今季のグランプリは原則として2週連続開催が見込まれている。感染症対策及びレース運営の効率性という点で従来どおりのフォーマットでの開催は実現性が低く、ダブルヘッダーなくしてカレンダーの復活は厳しい。

フェルスタッペンは「例年の傾向として僕らはシーズン後半の方が速さがあるから」と語り、チャンピオンシップ制覇のためには開幕ダッシュが欠かせないとの認識を示して次のように続けた。

「冬のバルセロナテストでのマシンのフィーリングは良かったし、オーストリアでどうなるか見てみたい。どんな状況であっても僕は何時だってレースに出る準備はできている」

今となっては風物詩だが、オーストリアGPでは毎年、母国の英雄を応援するためにオレンジ一色に身を包んだオランダ人ファンが多く観戦に訪れていた。だがその光景は来年以降にお預けだ。今年のグランプリはメディアと観客を締め出しての非公開イベントとして開催される。

フェルスタッペンは「誰もいないスタンドの前でレースをするのは残念だけど、選手権成立のために十分な数のレースを確保することが何よりも重要」と強調し、ファンの理解を求めた。

ただし、父のヨス・フェルスタッペンは無観客レースの方が息子にとって都合が良いと考えている。ヨスは地元オランダメディアとのインタビューの中で「ジャーナリストが現地にいないのはマックスにとって好ましい。長々とインタビューを受けずに済むわけだから」と冗談交じりに語った。

モナコでは5月4日以降、外出制限が段階的に緩和されるが、フェルスタッペンは自宅に籠もる今の生活が気に入っているようで「僕は家で過ごすのが大好きだから、そんなに苦じゃないよ」と説明する。

「そうは言っても一番好きなのはレースをすることだ。今はその代わりにトレーニングをしながら、リビングルームに設置してあるシミュレーターで過ごす時間が多い」

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