アルファタウリ、新型フロアの効果確認も「一筋縄にはいかない」
サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)に持ち込まれたAT04のアップグレードについて、スクーデリア・アルファタウリのチーフ・レースエンジニアを務めるジョナサン・エドルズは、その効果が確認できたとする一方、それのみで好成績を残せるほど甘くはないとの考えを示した。
アルファタウリは局所的なダウンフォースの改善を目的として、フロアボディ、フロアエッジ、フェンスを改良。加えて冷却性能を引き上げるために新型エンジンカバーと改良型リアブレーキ・ダクトを持ち込んだ。
エドルズは予選に先立ち行われた週末唯一のプラクティスを振り返り「FP1では2台共にミディアムとソフトの両コンパウンドで走行を重ねた。ソフトタイヤではどちらのドライバーも完全にクリーンなラップを得る事ができなかったが、アップグレードが功を奏している事は確認できた。我々にはミッドフィールドで戦えるだけのペースがあった」と語った。
「このコースはストレートラインスピードとコーナーでのダウンフォースとの間でトレードオフが必要となるため、FP1では2台のマシンに異なるレベルのリアウイングを装着してデータを集めた」
「我々も今回、幾つかの新しいエアロパーツを持ち込んでいるが、スプリントが採用される週末であり、またチーム間のギャップがかなり小さいため、決して一筋縄にはいかない。あらゆるチャンスを逃さず、その全てをまとめ上げる事が必要だ」
性能改善を果たしたマシンを背景に、角田裕毅は5番手で予選Q1を突破。日本GP以来となるQ3進出に向けて力強いパフォーマンスを発揮したが、エドルズによると肝心のQ2最終ラップではトラフィックによる悪影響に見舞われた。
「他の幾つかのチームが3ランを選択した一方、我々は2ランのみの計画であったため、かなりタイトではあったが、Q2に進むには十分な仕事をする事ができた」とエドルズは語る。
「ユーキは今回もまた、11番手だった。Q3まで1000分の18秒だった。セクター1のトラフィックによるダーティーエアーがなければ、彼は楽にQ3に進めたことだろう」
骨折による長期離脱を経て5戦ぶりに復帰したダニエル・リカルドは、FP1で角田裕毅と遜色ないタイムを刻み、予選でもQ1突破を果たしたが、Q2では奮わず15番手でヘルメットを脱いだ。
リカルドについてエドルズは「喜ばしい事にダニエルが戻ってきた。今週末から再び、我々のAT04をドライブする彼を歓迎したい」と語る。
「彼はすんなりとチームに溶け込み、最初のラップから速さを見せ、(長期の欠場にも関わらず)以前と変わらぬパフォーマンスを発揮した」
「ペースは良かったものの、(Q2の)最終ラップで酷いアンダーステアに見舞われてしまった。これは、このコースにおいてはあまりに不利に働く。中団各車のギャップが非常にタイトであったため、彼は15番手でセッションを終えた」
イベント2日目の最初のセッション、スプリントのグリッドを決するシュートアウトは予選と同じく3ラウンド・ノックダウン方式で争われるが、時間の短縮と合わせて各ラウンドでは使用可能なコンパウンドが制限される。
エドルズは「今後は明日のスプリント・シュートアウトに向けて、ミディアムタイヤを装着したクルマを如何に再最適化するかについて集中して取り組んでいきたい」と付け加えた。
2023年のF1アメリカGP予選でポールポジションを獲得したのはシャルル・ルクレール(フェラーリ)。2番手にはランド・ノリス(マクラーレン)、3番手にはルイス・ハミルトン(メルセデス)が続く結果となった。
シュートアウトは日本時間10月21日(土)26時30分、スプリントは同31時から1時間に渡ってサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で開催される。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。