ドライバーズ会見で笑顔を見せるルイス・ハミルトン(メルセデス)、2023年10月19日F1アメリカGP
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ルイス・ハミルトン、過去2年で”初めて”アプグレ効果を実感…全方位レベルアップのW14。レッドブル不在の三つ巴を期待

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2023年F1第19戦アメリカGP予選での3番手獲得を経てルイス・ハミルトン(メルセデス)は、W14が全方位的に「レベルアップ」したとの見解を示し、今回のアップグレードは過去2年で初めて効果が実感できるものだと説明した。

英国ブラックリーのチームはサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)に新型フロアを持ち込んだ。ハミルトンの言葉を借りれば、これはシルバーアローにとって2023年シーズン最後の「大規模アップグレード」だ。

アップグレードされたメルセデスW14でサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)を周回するルイス・ハミルトン、2023年10月20日F1アメリカGPCourtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.

アップグレードされたメルセデスW14でサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)を周回するルイス・ハミルトン、2023年10月20日F1アメリカGP

この変更にはリーディングエッジを高い位置へと変更したフロアボディの修正と、ベンチュリートンネル上部の形状変更が含まれる。メルセデスによるとこれは、アウターフェンスに掛かる荷重分散ならびに後方へと流れる気流の改善を通して、リアのダウンフォースを増加させる事を狙ったものだ。

今回の改良について、ポールシッターのシャルル・ルクレール(フェラーリ)に0.139秒と迫る3番手タイムを刻んだハミルトンは「クルマの感触は殆ど変わっていないけど、あらゆる場所でかなりレベルアップしている」と評価した。

COTAでのアップグレードについてメルセデスのテクニカルディレクターを務めるジェームス・アリソンは、2024年に向けて自分たちが「正しい軌道に乗っているかどうかを示す指標」であると説明した。

この点についてハミルトンは「来年に繋がるものかどうかは分からない」と述べ、来シーズンに向けた期待に慎重な姿勢を貫いたが、この調子で改善を続けていけば「超競争的なモード」を手に入れられるはずだと主張した。

「実験を重ねていくことで自分たちがどこに向かっているのか、そしてクルマの流れを何処にルーティングしているのかが段々と分かってくると思う」とハミルトンは語る。

「フロアに大きな違いはない。アップグレードには誇大広告がつきものだ。クルマの他の部分はまったく変わっちゃいないし、改良の余地がある部分は今も多い。それでも今回は改善があった」

「これは過去2シーズンで(効果を)実感できた最初のアップグレードの一つだ。良いことだし、この調子でもう2・3ステップを踏めば超競争的なモードに入れるはずだ。チームはきっとやってくれると思う」

日曜のレースでも好成績が期待されるところだが、フリー走行が僅か60分のみであった事から、全てのチームのロングランペースが未知数であるとしてハミルトンは「今、判断するのは時期尚早だ」と指摘した。

ただその一方で、トラックリミット違反によりマックス・フェルスタッペンが6番手に後退したことでトップ3にレッドブルが不在である事から「もしかするとかなりの接戦になるかもしれない」と述べ、ポールのルクレールと3番手ランド・ノリス(マクラーレン)による三つ巴の争いへの期待を示した。


2023年のF1アメリカGP予選でポールポジションを獲得したのはシャルル・ルクレール(フェラーリ)。2番手にはランド・ノリス(マクラーレン)、3番手にはルイス・ハミルトン(メルセデス)が続く結果となった。

シュートアウトは日本時間10月21日(土)26時30分、スプリントは同31時から1時間に渡ってサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で開催される。セッションの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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