シルバーストン・サーキットを周回するジョージ・ラッセル(メルセデス)、2024年7月5日F1イギリスGPフリー走行
Courtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.

激動…メルセデスがノリスを破り最前列独占!角田裕毅のRBは奮闘Q2 / F1イギリスGP 2024 《予選》結果と詳報

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2024年FIA-F1世界選手権12戦イギリスGPの予選が7月7日(土)に行われ、ジョージ・ラッセルがポールポジションを獲得。2番手にルイス・ハミルトンが続き、メルセデスが2021年サウジアラビアGP以来となるフロントロウ独占を果たした。角田裕毅(RB)はQ2進出を果たして13番グリッドを持ち帰った。

3番手にランド・ノリス(マクラーレン)が続いたことで、トップ3はイギリス人ドライバーが占拠した。エイントリーで行われた1962年のイギリスGPではジム・クラーク、グラハム・ヒル、ジャッキー・スチュワートがトップ3を占めたが、英国出身のドライバーがシルバーストンのトップ3グリッドを独占したのは今回が初。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は濡れた路面のQ1でグラベルに飛び出したことでフロアにダメージを負ったようで、セッションの大半で苦戦。Q3最終ラップではターン5でミスを喫して4番手に留まった。

シルバーストン・サーキットでのグリッド争いはインターミディエイトタイヤのQ1から始まり、一時は雨に見舞われながらもセッションを経る毎にドライへと変化。ポール争いに至る頃には路面は完全に乾いた。

有力ドライバーとてノックアウト・ゾーンに沈むは当たり前という展開の中、セルジオ・ペレス(レッドブル)はQ1の計測ラップのコプス(ターン9)でオーバーステアに見舞われ、滑りやすいランオフを通り越してグラベルに捕まり赤旗と、まさかのQ1敗退に終わった。

また、シャルル・ルクレール(フェラーリ)は0.159秒及ばずランス・ストロール(アストンマーチン)に蹴落とされ11番手と、こちらはQ2敗退を喫した。

大規模アップグレードが投入されたハースVF-24はこの日も俊足を披露。ケビン・マグヌッセンは17番手でQ1敗退を喫したが、ニコ・ヒュルケンベルグは2つの低速コーナーがあるセクター1で全体ベストを刻み、5番手オスカー・ピアストリ(マクラーレン)と0.101秒差の堂々6番手をマークした。

アップグレード以降、高速コーナーでのバウンシング、そしてバランスの悪化に苦戦するフェラーリはトップ5争いにも加われず、カルロス・サインツはラッセルからコンマ7秒遅れの7番手に留まった。

ストロールはアレックス・アルボン(ウィリアムズ)と僚友フェルナンド・アロンソを抑えて8番グリッドを持ち帰った。

予選Q1:ペレス、今季3回目の敗退

2024年7月6日にシルバーストン・サーキットで行われたF1イギリスGP予選Q1結果copyright FORMULA 1

2024年7月6日にシルバーストン・サーキットで行われたF1イギリスGP予選Q1結果

公式タイヤサプライヤーのピレリは、ハード(白色)にC3、ミディアム(黄色)にC4、ソフト(赤色)にC5コンパウンドを持ち込んだ。

エントリーした全20台で争われる18分間の予選第一ラウンドのQ1では、ヒュルケンベルグを除く19台がインターミディエイト・タイヤで計測ラップを走り、その後、続々とソフトタイヤに履き替え2ラップ目に向かったところ、残り7分30秒でペレスがグラベルに囚われ赤旗が振られた。今季3回目のQ1敗退となった。

終盤に雨脚が強まるとの予想の中、セッションが再開されるとソフトタイヤを履いたクルマがピットレーンに行列を作った。

陽は陰り路面温度がさらに低下する中、フェルスタッペンはペレスと同じ様にコプスでリアを失いグラベルに飛び出たが、スピードをキャリーすることでこれを乗り越え、コースに戻って11番手タイムでQ2に進出した。

タイムシートは慌ただしく入れ替わり、計測ラップをギリギリまで遅らせた角田裕毅はチェッカーが振られた時点でノックアウト・ゾーンに沈んでいたものの、セクター1で全体ベストを刻んでバルテリ・ボッタス(ザウバー)を蹴落とし、6番手でQ2に駒を進めた。ボッタスは赤旗後に先行してコースに向かったことが仇となった。

予選Q2:ルクレールがノックアウト

2024年7月6日にシルバーストン・サーキットで行われたF1イギリスGP予選Q2結果copyright FORMULA 1

2024年7月6日にシルバーストン・サーキットで行われたF1イギリスGP予選Q2結果

5台が脱落し残る15台のマシンが挑んだQ2は時間の経過とともに路面が急激に改善していく難しい展開となった。残り12分でDRSの使用が許可され、ラップタイムは一気に縮まった。

ルクレールは0.159秒及ばずストロールに蹴落とされ11番手でノックアウトした。

角田裕毅は13番手、ダニエル・リカルドは最終ラップをまとめられず、チームメイトから0.680秒遅れの15番手でクルマを降りた。

ローガン・サージェント(ウィリアムズ)は今季3回目のQ2進出を果たしたが、アルボンとは対照的に12番手でセッションを終えた。


決勝レースは日本時間7月7日(日)23時にフォーメーションラップが開始され、1周5891mのシルバーストン・サーキットを52周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

2024年F1第12戦イギリスGP予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:30.106 1:26.723 1:25.819 26
2 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:29.547 1:26.770 1:25.990 25
3 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:31.596 1:26.559 1:26.030 22
4 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 1:31.342 1:26.796 1:26.203 24
5 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 1:30.895 1:26.733 1:26.237 24
6 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ハース・フェラーリ 1:31.929 1:26.847 1:26.338 17
7 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:30.557 1:26.843 1:26.509 24
8 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:31.410 1:26.938 1:26.585 24
9 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:31.135 1:26.933 1:26.640 23
10 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 1:31.264 1:26.730 1:26.917 24
11 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:30.496 1:27.097 18
12 2 ローガン・サージェント ウィリアムズ・メルセデス 1:31.608 1:27.175 20
13 22 角田裕毅 RB ホンダRBPT 1:30.994 1:27.269 17
14 24 周冠宇 ザウバー・フェラーリ 1:31.190 1:27.867 22
15 3 ダニエル・リカルド RB ホンダRBPT 1:31.291 1:27.949 18
16 77 バルテリ・ボッタス ザウバー・フェラーリ 1:32.431 11
17 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:32.905 6
18 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:34.557 11
19 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダRBPT 1:38.348 5
20 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 1:39.804 7

コンディション

天気晴れ
気温13℃
路面温度22℃

セッション概要

グランプリ名 F1イギリスGP
セッション種別 予選
セッション開始日時

サーキット

名称 シルバーストン・サーキット
設立 1947年
全長 5891m
コーナー数 18
周回方向 時計回り

F1イギリスGP特集