笑顔のセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)とミック・シューマッハ(ハース)、2022年7月3日F1イギリスGP決勝レース後のパルクフェルメにて
Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

動画:ベッテル、愛弟子シューマッハの初入賞に大喜び「頑張れミック!」自分そっちのけでレース中に叫び続ける

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セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)は愛弟子、ミック・シューマッハ(ハース)のF1初入賞を誰よりも喜んだドライバーだった。レース中にも関わらずステアリングを握りながら「行けミック!頑張れミック!」と叫び続けていたと言う。

7月3日(日)に行われたF1第10戦イギリスGP決勝でシューマッハは8位フィニッシュを果たし、キャリア31戦目にして初のポイントを獲得した。デビューから入賞までに掛かったレース数としては歴代6番目に長い記録となった。

チームスタッフを健闘を称え合うミック・シューマッハ(ハース)、2022年7月3日F1イギリスGPCourtesy Of Haas

チームスタッフを健闘を称え合うミック・シューマッハ(ハース)、2022年7月3日F1イギリスGP

ミックの父親で7度のF1ワールドチャンピオンに輝いたミハエルは、ベッテルにとっての幼少期からのヒーローだった。2021年のF1デビュー以来、4度のF1王者は23歳の後輩をサポートし続けてきた。

シューマッハから3.3秒遅れの9位でフィニッシュしたベッテルは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)とシューマッハが繰り広げる白熱の肉弾戦を特等席で見ていた。

「本当に嬉しいよ!」とベッテルは興奮した様子でレースを振り返った。

「ほら、何が起きているのかを僕は知っていたし、ギャップが縮まっていく様子を見てたから、クルマの中で『頑張れミック、行けミック!(フェルスタッペンを)掴まえろ!』って叫んでたんだ」

「いや、ホント嬉しいよ。結果に値するほどに成長して長らく経つしね」

燃料ポンプに問題を抱えたエステバン・オコン(アルピーヌ)のマシンストップにより導入されたセーフティーカーからのリスタートの際、ベッテルは2人よりも前の7番手を走行していた。

「リスタートの際にマックスも彼もソフトタイヤを履いてきたから、僕には抵抗しようがなかったし、あまり反撃する意味もなかった」

「最後に掴まえられるかもとも思ったけど、彼らはあまりにも速かった」

「2人がサイド・バイ・サイドになるように毎回、ターン15やターン6、ウェリントン・ストレートに入って行く様子が見られて面白かったよ!」

そして最後にシューマッハの方を向き「良くやった」と改めて称賛した。

この日のシルバーストンでのレースは6台がリタイヤする波乱となったが、初入賞への道のりは決して平坦ではなかった。

前日の予選でステアリングが10度傾くというトラブルに見舞われたシューマッハは19番手からのスタートを余儀なくされた。それでも好ペースを刻み続けて15周目にはチームメイトのケビン・マグヌッセンをオーバーテイク。11番手に浮上した。

32周目にニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)を交わしてトップ10圏内に駒を進めると、オコンのリタイアによって更に順位を上げ、最終盤に師匠であるベッテルを抜き去り8位でチェッカーを受けた。

僚友がポイントを積み上げていく中、無得点レースが続くシューマッハに対してはこれまで、毎週のように入賞に関する質問が飛び交っていた。それだけにシューマッハは「今後はメディアからのこの手の質問を受け流して、レースとドライビングに集中できる事になって良かったよ」と語った。

ミック・シューマッハのF1初入賞とケビン・マグヌッセンの10位を喜ぶハースF1チーム、2022年7月3日F1イギリスGPCourtesy Of Haas

ミック・シューマッハのF1初入賞とケビン・マグヌッセンの10位を喜ぶハースF1チーム、2022年7月3日F1イギリスGP

レースを終えて抱き合うセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)とミック・シューマッハ(ハース)、2022年7月3日F1イギリスGPCourtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

レースを終えて抱き合うセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)とミック・シューマッハ(ハース)、2022年7月3日F1イギリスGP

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