ホンダF1 田辺TD、懸念されるクラッシュの影響「パワーユニットの詳細検査を実施」
2020 F1第4戦イギリスGP初日プラクティスを振り返ったホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターは、FP2の中盤にストウコーナー(ターン15)でクラッシュを喫したアレックス・アルボンのパワーユニットについて、衝撃によって問題が生じていないかを確認している最中と説明した。
セッション残り45分というタイミングでアルボンは、ストウコーナーでリアのコントロールを失い、グラベルを横切って車体左側から鉄製のガードレールに激突した。心配するチームからの無線の問いかけに対してアルボンは、小さな声で「大丈夫」と答えたが、マシンには大きなダメージが残り、アルボンのセッションは早々に終了となった。
アルボンはクラッシュの原因についてデータを見直してみるとしているが、ステアリングに共振が出ていたとも明かし、コントロールを失ったマシンを制御しきれなかったと語っている。
グラベルのおかげで一定程度減速したものの、クルマには20Gの衝撃が加わっていた。田辺TDは「FP2でのアルボン選手のクラッシュによるPUへの影響については、ダメージがないかを確認するため詳細検査に取り組んでいます」と説明した。
Pos | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
---|---|---|---|---|---|
2 | アルボン | レッドブル | 1:27.364 | +0.090 | 13 |
8 | ガスリー | アルファタウリ | 1:27.997 | +0.723 | 31 |
14 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:28.390 | +1.116 | 23 |
15 | クビアト | アルファタウリ | 1:28.426 | +1.152 | 29 |
この日のホンダエンジン勢は、クラッシュしたアルボンが、トップタイムを刻んだランス・ストロール(レーシングポイント)に続く2番手タイムを記録。マックス・フェルスタッペンはロマン・グロージャン(ハース)に妨害される格好となり、真っ当にアタックできず14番手に終わったが、両者ともにRB16の改善に手応えを得た様子を伺わせている。
アルファタウリ・ホンダ勢も2回のセッションで共に1台がトップ10に食い込んでおり、FP2で8番手タイムを残したピエール・ガスリーは、セットアップを上手く突き詰められれば更に多くのパフォーマンスを引き出せると自信を示している。
両チームともに新しいパーツやセットアップアイテムが持ち込まれ、上々の週末スタートを切った形だが、パワーユニット側にもソフトウェア上の改善が持ち込まれたようだ。
「過去3戦で得たデータをもとに、パワーユニット(PU)のマネジメントやドライバビリティの改善を行った上で今日のイギリスグランプリ初日に臨みました」と田辺TDは説明する。
「外気温が30°Cを超え、暑い中でのセッションになりましたが、PU側に関しては特に問題なく機能しています。明日以降は気温の低下が予想されていますので、今日入手したデータを参考に、気温の変化に合わせたセットアップを準備していきます」
初日をトップで締め括ったのはランス・ストロール(レーシングポイント)。2番手アレックス・アルボン(レッドブル・ホンダ)を100分の9秒差で退けた。3番手には0.157秒遅れでバルテリ・ボッタス(メルセデス)が続く結果となった。
F1イギリス・グランプリ3回目のフリー走行は日本時間8月1日(土)19時から、公式予選は同22時から1時間に渡ってシルバーストン・サーキットで開催される。