
沈黙した“発進灯”―未知のピットトラブルで角田とフェルスタッペンが代償、バーレーンGP問題の真相とは
2025年F1世界選手権第4戦バーレーンGPにおいてレッドブル・レーシングは、マックス・フェルスタッペンと角田裕毅の両ドライバーに対するピットストップで複数のトラブルに見舞われ、貴重なタイムを失う結果となった。
沈黙した「ピットライト」
最大の問題は、ピットレーンで発進を指示する信号灯、いわゆるトラフィックライトシステムの不具合だった。
フェルスタッペンは1回目のピットストップで、タイヤ交換作業が完了したにもかかわらず、発進を促すライトが作動しなかったために、数秒間その場に足止めされる事態となった。
当初、チームはこの問題をピットクルーの操作ミスと判断。そのため、直後にピットインした角田の作業手順には変更を加えず、結果的に同様のトラブルが再発した。これにより、両ドライバーともに重要なタイムを失った。
レース後、チーム代表のクリスチャン・ホーナーは「配線系統、あるいは電装系に問題があったと聞いている。これまでに見たことがない類のトラブルだ」と説明した。
その後、チームは自動トラフィックライトシステムを手動モードに切り替え、チーフメカニックによるマニュアルでの発進指示へと変更したという。
フェルスタッペンの第2ストップでも別の問題が
フェルスタッペンは2回目のピットストップでも、右フロントタイヤの交換に手間取るトラブルに見舞われた。ホイールガンがうまく作動せず、最終的に6.2秒もの停止を強いられた。
ホーナーは「実際のタイヤ交換作業自体は速く、2秒台のストップもあった。だが、ドライバーは信号が動作しない限り発進できない。現在、すべての機材は隔離されており、徹底的な調査を進めている」と述べた。
バーレーンGPでの最速のピットストップはジョージ・ラッセル(メルセデス)で、2回のピットストップに要したタイムは48.144秒(ピットレーン滞在時間合計)だった。
一方でフェルスタッペンは同じ2ストップながらも、ラッセルより6.441秒も多くタイムを失った。角田は同3.12秒だった。
2025年F1第4戦バーレーンGPでは、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)が今季2勝目を上げ、2位にジョージ・ラッセル(メルセデス)、3位にランド・ノリス(マクラーレン)が続く結果となった。
ジェッダ市街地コースを舞台とする次戦サウジアラビアGPは、4月月18日のフリー走行1で幕を開ける。