ガレージに立つクリスチャン・ホーナー(レッドブル・レーシング代表)と角田裕毅、2025年6月14日(土) F1カナダGP予選(ジル・ビルヌーブ・サーキット)

角田裕毅への懲罰「かなり厳しい裁定」とホーナー反発、明暗分かれたレッドブル

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2025年F1第10戦カナダGPの決勝に向けて、角田裕毅に科された10グリッド降格ペナルティについて、レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは「かなり厳しい裁定」であるとし、「運が悪かった」との見方を示してドライバー個人の責任を否定した。

問題となったのは、予選前の最終プラクティス(FP3)中に赤旗が提示された際、クラッシュによりデブリを撒き散らしながら走行していたオスカー・ピアストリ(マクラーレン)を角田が追い越した行為だった。

角田は聴聞において、脱落するデブリとの不必要な接触を避けるためだったと釈明したが、スチュワードはこれを受け入れず、10グリッド降格という厳しい裁定を下した。

この決定についてホーナーは、「かなり厳しい」として反発し、「特に予選ではかなり堅実な走りを見せていたし、あと一歩でQ3進出というところだっただけに、本当に残念だ」と振り返った。

一方で、裁定が確定した以上、やるべきことは明快だとも指摘した。「こうなってしまった以上、明日は後方からの挽回に全力を尽くしてもらうしかない」

角田は11番手で予選を終えたものの、このペナルティにより決勝は最後尾スタートとなる。土曜に向けて投入されたRB21のアップグレードへの理解を深めるためにも、まずはトラブルフリーで序盤を消化したいところだ。

11番手で予選Q2敗退を喫した後、ピットレーンを歩く角田裕毅(レッドブル・レーシング)、2025年6月14日(土) F1カナダGP(ジル・ビルヌーブ・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

11番手で予選Q2敗退を喫した後、ピットレーンを歩く角田裕毅(レッドブル・レーシング)、2025年6月14日(土) F1カナダGP(ジル・ビルヌーブ・サーキット)

マックスは記録的最前列、2024年の再現なるか

一方のマックス・フェルスタッペンは、ジョージ・ラッセル(メルセデス)と僅差のポールポジション争いを繰り広げた。最終的には0.16秒差でポールを逃したが、それでもレッドブルにとって記念すべき通算200回目となるフロントロウを獲得した。

昨年のカナダGPでは、2番グリッドからスタートしたフェルスタッペンがラッセルを交わして逆転優勝を果たしており、今年もその再現を狙う構えだ。ただし、昨年と比べて気温が高いことに注意が必要だ。

「明日はさらに暑くなる見込みだから、タイヤのデグラデーション、特にグレイニングが鍵を握るだろう。戦略も非常に重要になるし、エキサイティングなレースになる可能性は十分にある」とホーナーは語った。

現在チャンピオンシップをリードするマクラーレン勢は、オスカー・ピアストリが3番手につけた一方で、ランド・ノリスは7番手にとどまった。

ホーナーは、レースでのマクラーレンの巻き返しを予想しつつも、「我々としては、自分たち自身とレースに集中して、明日何ができるか見ていくつもりだ」と語り、まずは自らのレースに専念する姿勢を強調した。


2025年F1カナダGP予選では、ジョージ・ラッセル(メルセデス)がポールポジションを獲得。2番手はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3番手はオスカー・ピアストリ(マクラーレン)という結果となった。

決勝レースは日本時間6月16日(日)27時にフォーメーションラップが開始され、1周4361mのジル・ビルヌーブ・サーキットを70周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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