F1バーレーンGP:ピット規定違反で角田裕毅に処分、ウィリアムズの危険リリースと判断せず

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2025年F1第4戦バーレーンGPにおいて、レッドブル・レーシングの角田裕毅が、ピットレーン内での追い越し違反により、今季初となる戒告処分(ドライビング)を受けた。1シーズン中に5回の処分を受けると、10グリッド降格ペナルティが科せられる

問題の行為はFP1に発生した。角田は現地時間15時3分、ピットレーンでアレックス・アルボン(ウィリアムズ)に進路を塞がれ、ファストレーンを離れてアルボンを追い抜いた。この行為が、FIA国際競技規則付則L章 第IV章 第5条 d)に違反すると判断された。

同規定は「ファストレーンまたはワーキングレーンにいるクルマは、ファストレーンを走行中の他のクルマを追い越してはならない。ただし、明らかに機械的な問題を抱えて極端に遅いクルマ、停止しているクルマ、その他の障害物など、特別な事情がある場合を除く」と定めている。

聴聞会の中で角田は、「ブレーキを踏めばロックアップして追突する危険があると判断し、右側へ回避した」と釈明した。ヴィタントニオ・リウッツィを含む4名のスチュワードは、この説明を受け入れつつも、「追突を回避した後、アルボンの後ろに戻るべきで、追い越してはならなかった」と指摘した。

また、スチュワードは前戦日本グランプリでの通達事項に触れ、「ピットレーンでの追い越しは、特別な事情を除いて禁止されている。これは最近のイベントで明確にされている」とも述べた。

日本グランプリでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)とオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が、ピットレーンで他車を追い越したとして召喚された。処分はいずれも「警告」にとどめられたが、FIAは同じ週末に同様の違反がすでに4件発生していたことに触れ、以降に類似の違反を犯した場合、グリッド降格などの競技的ペナルティを科す可能性があると警告していた。

一方で、スチュワードはアルボン側のリリース行為についても検証したが、「アンセーフ・リリースではなかった」とし、アルボンやウィリアムズには処分を科さなかった。

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