角田裕毅、鈴鹿で見せた“片鱗”にパーマー注目―レッドブル昇格決定「正しかった」バーレーンでの結果に期待

  • Published:

レッドブル昇格後、初のレースとなった2025年のF1日本GP──ホームレースの大舞台で角田裕毅は入賞を逃す結果に終わったが、元F1ドライバーのジョリオン・パーマーは、「その内容は結果以上に遥かに印象的だった」と評価した。

パーマーはF1公式サイトに寄稿したコラムで、「レッドブルという難しいマシンに、初日から非常によく順応していた」と短期間での適応力を称賛し、「感心した」と綴った。

事実、角田は金曜フリー走行から一貫して堅実なペースを刻み、僚友マックス・フェルスタッペンとの差を0.1〜0.2秒差にとどめていた。パーマーは、昨季終盤のセルジオ・ペレスやリアム・ローソンより、クルマに馴染んでいたと指摘している。

だが、その好調な流れは予選Q2で崩れた。新品ソフトタイヤでのアタックラップにおいて、リアタイヤの温度不足により序盤からオーバーステアとトラクション不足に苦しみ、わずか数コーナーで約0.3秒を失った結果、15番手で敗退となった。

パーマーは、決勝レースでオーバーテイクが非常に難しかったことに触れ、「この1周の問題が、実質的に彼の週末全体と、レッドブルでのホームデビュー戦でポイントを獲得するという夢を台無しにしてしまった」と分析した。

レースでは、序盤にリアム・ローソンを抜き、ピエール・ガスリーに対してアンダーカットを成功させるなど戦略的な動きも見せたが、抜きどころの少ない鈴鹿ではそれ以上の展開を望むのは難しく、結果としては12位に終わった。

パーマーは「厳しいデビュー戦となったが、それでも週末を通しての走り、特にプラクティスでの走行を見れば、Q3常連になれるポテンシャルを示していたのも事実で、チームとしてもこの内容には勇気づけられたはずだ」と語った。

「Q2敗退とはいえ、ローソンの予選成績よりは良かったのだから、ある意味では上出来といえる。クルマを知らず、期待値も低かった分、角田は“フリーパス”を与えられたようなものだが、多くのセッションで速さを見せていたことはプラスだった」

さらにパーマーは、バーレーンでの次戦に向けて角田に期待を寄せた。

「初戦ではポテンシャルの片鱗を見せたが、これからが本当の勝負だ。彼はこれまでも鈴鹿のような高速コーナーが多いサーキットで力を見せてきたが、バーレーンにはそれがない。だが、彼はブレーキングが得意なドライバーでもある。クルマの方向性を見つけ、思い切って攻める自信が持てれば、週末の助けになるだろう」

最後にパーマーは「日本GPでの内容を見る限りでは正しかった」と述べ、ローソンと角田を交代させたレッドブルの判断を評価。「今度は結果を以て、彼らの判断が正しかったことをユーキが証明する番だ」と締めくくった。

F1バーレーンGP特集