
にじむ覚悟―角田裕毅、鈴鹿と対照的な”静寂のバーレーン”に寄せる期待
鈴鹿での前戦、母国日本グランプリは角田裕毅(レッドブル)にとって、周囲の熱気と多忙な対応に追われる“非日常”の一週間となった。そんな環境を経て迎えるバーレーンでは、より本来の仕事に集中できると期待を寄せている。
今週末に開催される2025年F1第4戦バーレーンGPを前に角田は、「日本グランプリの週は本当にクレイジーでした。準備段階からすごく忙しくて、週末も目まぐるしかったです」と振り返った。
「母国でレースができたこと自体は最高の経験ですが、今週末は少し静かな環境で、クルマへの理解を深め、チームとの連携を深め、レッドブル・レーシングでの生活に馴染んでいけばと、楽しみにしています」
鈴鹿での週末は、角田にとって大きな学びの機会となった。初の実車走行を通してRB21の学習を進め、またレーシング・ブルズとは異なるトップチームのオペレーションに触れたことで、多くの気づきを得ただけなく、改めて自らに課せられた役割と責任を実感した様子だ。
「それ(鈴鹿で得た学び)を活かして、クルマからパフォーマンスを引き出せるかどうかは自分の肩にかかっています」という言葉には、チーム任せにするのではなく、自身の努力と結果でチームに貢献し、居場所を勝ち取ろうとする覚悟がにじむ。
周囲を砂漠に囲まれるバーレーン・インターナショナル・サーキットは、鈴鹿とは対照的に高温が予想されるが、角田は特に予選でのタイヤマネジメントが重要なカギを握ると考えている。
鈴鹿での予選では、アタックラップ前にタイヤを適切に準備することができず、その影響でラップをまとめることができなかっただけでなく、その影響自体を過小評価していたことも反省点となった。
「バーレーンは誰もがよく知るサーキットですが、日本とはコンディションがまったく違います。だからこそ、すぐに感覚をつかんで、特に予選でしっかり結果を出す必要があります」と角田は語る。
「タイヤをどのように準備すべきかという点で理解を深めることができれば、決勝に向けて良いポジションが得られると思いますし、自分たちが本来持っているパフォーマンスを発揮して、ポイントを獲得できればと思っています」