
角田裕毅、母国初陣は12位「もう1回予選があれば…」無念と後悔そして満足―決意新たにバーレーンへ
2025年F1第3戦日本グランプリが4月6日、三重県鈴鹿サーキットで開催され、レッドブル昇格後初のレースに臨んだ角田裕毅は、2つポジションを上げて12位でフィニッシュした。自身の走りには一定の手応えを感じているとする一方、母国での入賞を逃したことには深い落胆をにじませた。
53周で行われたレースでは、角田のチームメイト、マックス・フェルスタッペンがポール・トゥ・ウィンで今季初勝利を飾り、ホンダとの最終年に相応しい形で頂点に立った。
満足感に先立つ悔しさ、母国入賞への強い思い
角田は14番グリッドからスタート。序盤、スプーンカーブでリアム・ローソン(レーシング・ブルズ)を交わし、その後はピエール・ガスリー(アルピーヌ)に接近。23周目のピットストップでアンダーカットに成功しポジションを上げると、終盤はフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)を追い詰めたが、1.068秒及ばず12位でチェッカーを受けた。
角田は「レース自体の自分のパフォーマンスという点では満足していますが、やはり結果という意味では非常に悔しいです。特に母国グランプリでしたので、もっと良い結果を期待していましたし、最低でもポイント圏内でフィニッシュしたかったです。なので、気持ちとしては複雑です」と振り返った。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
タイヤ交換を終えてコースに戻る角田裕毅のレッドブル・レーシングRB21、2025年4月6日(日) F1日本GP決勝レース(鈴鹿サーキット)
学び多き53周も「もう一度予選があれば」
とは言え、角田にとってはこれがレッドブルRB21での決勝初走行。レースを通じて学びの多い一戦となった。ただそれでも、トラフィックの影響でタイヤのウォームアップがままならず、結果としてQ3進出を逃した予選への後悔の思いは強かった。
「今回のレースで走った53〜54周は、僕にとってこのクルマで最も多く走り込んだ周回でした。1周ごとに学んでいますし、レース終盤にはだいぶコントロールできるようになってきた感覚もあり、クルマに対する自信も深まりました」
「もし、もう一度予選があれば違った結果になったかもしれません。もちろんそれは叶いませんが。ただ、与えられた時間が限られていたことを考えれば、良い内容だったと思います。それでも、やはりポイント圏内でフィニッシュしたかったです」
フェルスタッペンとの差については、「兎にも角にも、ペースを上げなければなりません」とする一方、「幸いにもマックスから学べる環境にあるので、引き続き自分のやるべきことをやり続けるつもりです」と意気込んだ。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
決勝前にクレイグ・スレーター(スカイスポーツF1)のインタビューを受ける角田裕毅(レッドブル・レーシング)、2025年4月6日(日) F1日本GP(鈴鹿サーキット)
ファンから「ドライバー・オブ・ザ・デイ」に選出
鈴鹿は伝統的にオーバーテイクが難しく、予選結果がレース展開に直結しやすい。1周あたり2〜3秒のペース差がない限り、追い抜きは困難だ。
それでも母国ファンの期待に応えようと奮闘した角田の姿勢は多くの支持を集め、F1公式ファン投票では23.7%の得票率を記録。19.7%にとどまったフェルスタッペンを上回り、「ドライバー・オブ・ザ・デイ」に選出された。
角田の視線はすでに、1週間後に控えるバーレーンGPに向けられている。「次のレースが楽しみです」と語り、レッドブルでのさらなる飛躍を誓った。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
ホンダS660でドライバーズパレードに登場した角田裕毅(レッドブル・レーシング)、2025年4月6日(日) F1日本GP(鈴鹿サーキット)
2025年F1第3戦日本GP決勝レースでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポール・トゥ・ウインで通算64勝目を上げた。2位はランド・ノリス、3位はオスカー・ピアストリと、マクラーレン勢がこれに続いた。
バーレーン・インターナショナル・サーキットを舞台とする次戦バーレーンGPは、4月11日のフリー走行1で幕を開ける。