F1トスカーナGPを3位で終えてスタンドのファンに手を振るレッドブル・ホンダのアレックス・アルボンcopyright Red Bull Content Pool

赤旗2回で完走12台…ハミルトンが90勝目、ホンダ勢 2台失うもアルボン初表彰台 / F1トスカーナGP《決勝》結果とダイジェスト

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2020シーズンFIA-F1世界選手権 第9戦トスカーナGP決勝レースが9月13日に行われ、メルセデスのルイス・ハミルトンがポール・トゥ・ウインを飾り、今季6勝目、通算90勝目を上げて、ミハエル・シューマッハが持つ史上最多優勝まで後1つに迫ると共に、ファステストラップを刻んで満額の26ポイントを手にした。

波乱とは言えども上位2台の顔ぶれは馴染み深いもので、2位にはバルテリ・ボッタスが続き、3日間を通して他を大きく引き離していたメルセデスが完全支配で週末を締め括った。3位表彰台はレッドブル・ホンダのアレックス・アルボン。念願のキャリア初、タイ人初のポディウムに上がった。表彰台登壇はF1史上213人目。

史上初開催となったムジェロ・サーキットでのグランプリは、2度の赤旗と3度のスタンディングスタート、8台がリタイヤを喫する大荒れのレースとなり、ホンダエンジン勢としてはマックス・フェルスタッペンとピエール・ガスリーの2台を失ったが、アルボンが3位に入り、同じく生き残ったダニール・クビアトも7位入賞を飾った。

スクーデリア・フェラーリにとっては、F1参戦1000回目の記念的グランプリとなった。エンツォ・フェラーリによって創設されたイタリアの伝説的F1チームは、1950年5月21日のモナコGPで初めてF1に参戦。全てのシーズンに参戦し続けているのは跳馬しかいない。

歴史的マイルストーンを祝うべく、F1初出走のモナコGPに投入された「125 F1」のブルゴーニュカラーがSF1000とレーシングスーツに施され、レース開始1時間前には、7度の皇帝ミハエル・シューマッハに最後のタイトルを授けた2004年の「F2004」を、ミハエルの息子ミックがドライブした。

大荒れの展開で各チームが一台ずつマシンを失った中、マラネロのチームはメルセデスと並び2台共がサバイバルレースをくぐり抜け、シャルル・ルクレールが9位、セバスチャン・ベッテルが10位と、面目躍如のダブル入賞で今季2回目の母国レースを締め括り、人数限定で現地観戦が許された2880人のティフォシの期待に応えた。

決勝は、日本時間13日(日)22時10分にブラックアウトを迎え、1周5245mのコースを59周する事で争われた。現地スカルペリーアは晴れ、チャンピオンシップポイントを争う決勝のフォーメーションラップは気温29.8℃、路面44.8℃、湿度40.3%のドライコンディションで開始された。

公式タイヤサプライヤーのピレリは、高速かつ舗装が攻撃的なムジェロに、最も硬いレンジのC1からC3までのコンパウンドを投入。予選Q3進出組は全車が中古ソフトで、12番手クビアト、13番手キミ・ライコネン、15番手ロマン・グロージャン、18番手ジョージ・ラッセル、そして19番手ニコラス・ラティフィがミディアム、他は新品ソフトでグリッドに着いた。

レコノサンスラップに際してはフェルスタッペンがパワーユニット(PU)の問題を訴えた。レース前のグリッドではRB16のリアに大量のドライアイスが置かれ、レッドブルのメカニックたちが慌ただしく作業に取り組んでいた。PUのソフトウェアに関連する問題であったものと見られている。フェルスタッペンはその後、無事にフォーメーションラップへと向かったが、解決してはいなかったようだ。

注目のオープニングラップでは、3番グリッドのフェルスタッペンが上手く蹴り出しを決めて前のボッタスに並びかけるも、中速以降は全く速度が伸びず、ホームストレート上で次々にオーバーテイクを許し大きく後退。ボッタスはトウを得てポールシッターのハミルトンを交わした。

続くターン2に際してはグロージャン、ライコネン、ガスリーがスリーワイドとなり接触。その前を走行していたフェルスタッペンがグラベルに押し出された。この結果、フェルスタッペンとガスリーがリタイヤを喫し、一件は審議の対象となったがお咎めなしの裁定が下った。

またこれとは別にターン3ではカルロス・サインツとランス・ストロールが接触。これに巻き込まれたベッテルはフロントウイングを破損し、一連の事故処理のためにセーフティーカーが導入された。

レースは7周目にリスタートを迎えるも、再びホームストレート上で多重クラッシュが発生。ケビン・マグヌッセンに対して、ニコラス・ラティフィ、アントニオ・ジョビナッツィ、カルロス・サインツが衝突するような格好となり、4台がクルマを降りた。レースは25分間に渡って赤旗中断となった。

この事故もレース後の審議の対象となり、スチュワードはマグヌッセン、ラティフィ、クビアトを召喚。調査を終えて計12名のドライバーに警告処分を科す裁定を下した

レース再開を迎える前に、ルノーのエステバン・オコンがブレーキトラブルのためにリタイヤした。生き残った13台は、タイヤ交換などのレギュレーションで許可された作業を行いレース再開に備えた。メルセデス勢、10番手ジョージ・ラッセル、11番手ライコネンの4台がミディアムを履いた。

レースは9周目にスタンディングスタートで再開された。今度はハミルトンがトウを得てボッタスをオーバーテイク。ラップリーダーの座を取り戻した。4番手のアルボンは蹴り出しで大きく遅れ、7番手にまで後退した。

ルクレールは3番手の好位置につけていたが、18周目から4周連続で後続にオーバーテイクを許し、一気に8番手に後退。フェラーリは戦略を”プランC”へとに切り替えピットストップを指示。ハードタイヤを履かせて13番手最下位でコースに送り出した。

ランス・ストロールを追いかけていたダニエル・リカルドは、アンダーカット狙いで28周目にピットイン。ミディアムタイヤに履き替え8番手でコースに復帰し、戦略を成功させて3番手にポジションを上げた。

44周目にはストロールがエンジン全開の超高速コーナー、アラビアータの2個目(ターン9)でクラッシュを喫し、タイヤバリアに激突した。ストロールはパンクが原因だと無線で報告。レースはセーフティーカーが導入された後、バリアの修復のため、46周目に2度目の赤旗が振られた。大破したRP20は炎を煙に包まれた。

レースは47周目に3度目のスタンディングスタートを迎え、全車が中古のソフトタイヤを履き、ハミルトン、ボッタス、リカルド、アルボンの順で再開された。

アルボンは一旦、セルジオ・ペレスにポジションを譲る格好となったが、すぐさま4番手を取り返した。最高の蹴り出しを決めたリカルドは、ボッタスをオーバーテイクして2番手に浮上するも、ポジションを守ることはできず、その翌周にボッタスにオーバーテイクを許し3番手に後退した。

その後のリカルドのペースは上がらず、51周目にアルボンにオーバーテイクを許した。ハミルトンはラスト2周でファステストラップを刻む余裕を見せつけ、大波乱のレースをポール・トゥ・ウインで締め括った。

なお8位でチェッカーフラッグを受けたライコネンは、ピットレーン進入違反の5秒ペナルティを受けたが、入賞圏内の9位に踏みとどまり、待ちに待った今季初のポイントを獲得した。

順位とタイム

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 59 2:19:35.060 26
2 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 59 +4.880s 18
3 23 アレックス・アルボン レッドブル・ホンダ 59 +8.064s 15
4 3 ダニエル・リカルド ルノー 59 +10.417s 12
5 11 セルジオ・ペレス レーシングポイント 59 +15.650s 10
6 4 ランド・ノリス マクラーレン・ルノー 59 +18.883s 8
7 26 ダニール・クビアト アルファタウリ・ホンダ 59 +21.756s 6
8 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 59 +28.345s 4
9 7 キミ・ライコネン アルファロメオ 59 +29.770s 2
10 5 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 59 +29.983s 1
11 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 59 +32.404s 0
12 8 ロマン・グロージャン ハース・フェラーリ 59 +42.036s 0
NC 18 ランス・ストロール レーシングポイント 42 DNF 0
NC 31 エステバン・オコン ルノー 7 DNF 0
NC 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 6 DNF 0
NC 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 5 DNF 0
NC 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ 5 DNF 0
NC 55 カルロス・サインツ マクラーレン・ルノー 5 DNF 0
NC 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 0 DNF 0
NC 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 0 DNF 0

コンディション

天気
晴れ
気温
29.8℃
路面温度
44.8℃

レース概要

グランプリ名
F1トスカーナGP
レース種別
決勝
レース開始日時

サーキット

名称
ムジェロ・サーキット
設立
1974年
全長
5245m
コーナー数
15
周回方向
時計回り

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