F1スペインGP 最高速度:”高速に振り過ぎた”フェラーリがトップ
2019年シーズンのFIA F1世界選手権第5戦スペインGP予選のドライバー及びチーム別スピードトラップを集計した。一発のタイムを競い合う予選セッションで最速を刻んだのは、メルセデスAMGのバルテリ・ボッタス。2番手ルイス・ハミルトン以下を大きく突き放した。
チーム別スピードトラップ
カタロニア・サーキットのスピードトラップは、ターン1手前220mの地点で計測される。トップスピードはエンジン馬力やスリップストリームの有無の他、計測地点前のコーナーの種類やトラクション性能、ダウンフォースレベルや車体の空気抵抗といった様々な要素で上下する。
チーム別の最高速度を見てみる。予選でメルセデスに大敗し、一台がレッドブル・ホンダに食われたスクーデリア・フェラーリが時速325kmでトップ。2番手はワークスルノーで時速324km、メルセデス製パワーユニットを搭載する直線番長、レーシングポイントが時速323.5kmで3番手に続いた。
ワークスフェラーリの2台と全4台のルノーエンジン勢は、週末に先立って今季第二世代モデルの最新型内燃エンジンを投入している。
予選で上位に付けたメルセデスとレッドブル・ホンダ、そしてハースが下位に沈み、スピードトラップで頭打ちになっている点が興味深い。
確かに、スピードトラップでトップのフェラーリはセクター1で最速タイムを刻んでいたものの、メルセデスとレッドブル・ホンダは第2・第3セクターで上位を独占。中低速セクションでタイムを稼ぐべく、ダウンフォース重視のセットアップを突き詰め、競争力を絞り出す事に成功した。
これは、ターン9とターン10の間で計測される第2中間地点の最高速度にも表れている。90度コーナーを超えた先のバックストレートでのランキングでは、スピードトラップ上位チームが軒並み下位に沈んでいる。
マクラーレンがメルセデスに続く2番目につけているが、どちらかと言えばMCL34は中高速重視の仕上がりで、もう少し低速での速さがあれば、ハースやトロロッソ・ホンダと激しいミッドフィールド頂上決戦を演じた事だろう。
コンパウンドや路面コンディション等の違いはあるが、実はフェラーリ、同じカタロニア・サーキットで開催されたプレシーズンテスト時と比較してベストタイムが変わっていない。予選Q3でセバスチャン・ベッテルが記録したのは1分16秒272。シーズン前テストでの最速は1分16秒221であった。これに対してメルセデスは0.818秒を縮めている。
ドライバー別スピードトラップ
Pos. | Driver | Team | km/h |
---|---|---|---|
1 | シャルル・ルクレール | Ferrari | 325 |
2 | セバスチャン・ベッテル | Ferrari | 324.2 |
3 | ダニエル・リカルド | Renault | 324 |
4 | ランス・ストロール | Racing Point | 323.5 |
5 | カルロス・サインツ | Mclaren | 323.1 |
6 | セルジオ・ペレス | Racing Point | 322.4 |
7 | キミ・ライコネン | Alfa Romeo | 322.1 |
8 | ランド・ノリス | Mclaren | 321.8 |
9 | ダニール・クビアト | Toro Rosso | 321.8 |
10 | アレックス・アルボン | Toro Rosso | 320.9 |
11 | バルテリ・ボッタス | Mercedes | 319.9 |
12 | アントニオ・ジョビナッツィ | Alfa Romeo | 319.8 |
13 | ルイス・ハミルトン | Mercedes | 319.6 |
14 | ケビン・マグヌッセン | Haas | 318.6 |
15 | ニコ・ヒュルケンベルグ | Renault | 318.2 |
16 | ロマン・グロージャン | Haas | 318.2 |
17 | ピエール・ガスリー | Red Bull | 317.2 |
18 | マックス・フェルスタッペン | Red Bull | 316.4 |
19 | ジョージ・ラッセル | Williams | 316.2 |
20 | ロバート・クビサ | Williams | 313.4 |