アイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)に先行するピエール・ガスリー(アルピーヌ)、2025年6月1日(日) F1スペインGP決勝(カタロニア・サーキット)
Courtesy Of Alpine Racing

ブリアトーレ、コラピントに厳しい評価―ガスリー8位入賞も“最下位転落”…アルピーヌの課題鮮明に

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アルピーヌにとって、2025年F1第9戦スペインGPでのピエール・ガスリーの8位入賞は、マイアミ以来3戦ぶりのポイント獲得となり、久々の安堵をもたらした。一方で、コンストラクターズ選手権ではザウバーに逆転され最下位に転落。チームの課題も浮き彫りとなった。

ガスリー、戦略に後押しされ8位

スタートポジションと同じ8位でチェッカーを受けたガスリーだが、ポイントを獲得した他の中団チーム、レーシング・ブルズやザウバーと比べると、全コンパウンドでペースが劣っていた。

それでも、先行寄りのピット戦略を採用したことが功を奏し、終盤に向けては安定してポイント圏内を走行。セーフティーカー(SC)導入時には再度ピットインし、フレッシュなタイヤを得たことで8位につなげた。

ガスリーは「今日はかなり難しいレースだったけど、ポイントを取れたのはポジティブな結果だ」としつつも、予選の好調さに対して決勝では明らかに苦戦を強いられたとして、「次のカナダに向けて、弱点の改善に全力で取り組む必要がある」とした。

また、SCが導入されたことについては「正直ホッとしたよ。チームが素晴らしい判断を下してくれたおかげで、新しいタイヤに履き替えることができた」と振り返った。

コラピント、経験積むも厳しいレースに

一方のフランコ・コラピントは、19番手スタートの15位フィニッシュ。ハースの2台を交わしたが、存在感を示すことはできなかった。それでも、貴重な経験を積み重ねることができたのは収穫と言えるだろう。

コラピントは「失望に溢れる厳しいレースだった」と振り返り、ダーティエアー下でのタイヤ劣化の激しさに言及。「トラックポジションがどれだけ重要かを痛感した」とし、ガスリーとは対照的に、予選の改善が今後に向けた自身の課題だと説明した。

一方で、「レースでは、週末の早い段階よりもペースが良かった」と前向きな要素も見出しており、2週間のオフを利用して作業に取り組み、次のカナダGPまでに「より多くを学んでいきたい」と、成長への意欲を示した。

ブリアトーレ、危機感を隠さず

エグゼクティブアドバイザーのフラビオ・ブリアトーレは、「厳しい週末ながらもポイントを持ち帰れたのは前向き」としながらも、現状への危機感を隠さなかった。

特に憂慮すべきは、コンストラクターズ選手権争いでザウバーに抜かれ、最下位に転落したことだ。「この3連戦で明確に示されたように、我々のクルマは望むレベルに達していない」とブリアトーレは指摘した。

また、ガスリーには「堅実なレースした」と一定の評価を与える一方、コラピントについては「後方スタートであったため、厳しいレースになることは分かっていたが、それでも期待していたほど前進しなかった」と厳しい見解を示した。

また、「チームとしてこの状況を打破し、立て直す必要がある」と述べ、チーム再建への強い決意を表明した。


2025年F1第9戦スペインGPでは、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)がポール・トゥ・ウインを飾り、今季5勝目を挙げた。チームメイトのランド・ノリスが2位、シャルル・ルクレール(フェラーリ)は3位でフィニッシュし、バルセロナで自身初の表彰台に上がった。

ジル・ビルヌーブ・サーキットを舞台とする次戦カナダGPは、6月13日のフリー走行1で幕を開ける。

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