メルセデス、一発だけでなくロングも別リーグ「アップデートでコーナリング性能が向上」F1スペインGP《初日》
序盤4戦の流れが変わる事を期待していたF1ファンに対して、第5戦スペインGP初日のリザルトは冷酷であった。メルセデスは揺るぎない安定性を誇示。5戦連続となる1-2フィニッシュの実現に向けて好スタートを切った。
この日行われた2回のプラクティスでは、バルテリ・ボッタスが最速を連取。フェラーリに対してコンマ3秒差を付けて初日を締め括った。一発の速さだけならばまだしも、アップグレードを手にしたW10のロングランは、他の追随を許さないレベルを示した。
プレシーズンテスト時よりも15度近く暖かいコンディションに恵まれたカタロニア・サーキット。メルセデスはレースペースにおいて、レッドブル・ホンダに0.7秒、フェラーリに対しては0.9秒もの大差を付け、ライバルを打ち負かす速さを見せた。
チーフレースエンジニアを務めるアンドリュー・ショブリンは「冬のテストではあまり速さを示せなかったが、今日はショートランでもロングランでも堅実なペースを披露出来た」と満足感を示した一方で、「まとめ切れていないコーナーがある」と語り、まだ改善の余地があると主張した。
投入されたアップデートについて、チームメイトを抑えトップタイムで初日を終えたボッタスは「クルマの感触は本当に良く、コーナリング性能が向上したように思う」とコメント。高速コーナーこそライバルと大差ないものの、改良されたW10は、中低速で他を圧倒する速さを見せていた。
メルセデス:F1スペインGP初日を終えて
バルデリ・ボッタスFP1: 1位, FP2: 1位
新しいパーツを投入し、それが本来のパフォーマンスを発揮しているかどうかを確かめるのは、いつだって楽しいものだ。今日のクルマは冬のテストの時とは全然違っていて、本当に気持ちよく走れたし、コーナリング性能も向上したように思う。
ラップ全体のバランスも向上しているし、冬以降、自分たちが正しい方向に進んできたんだって手応えを得る事ができた。今日は良かったけどまだ金曜日だし、フェラーリが近くに迫っている。良い一歩を踏み出したように思うけど、明日がどうなるかは見守る必要がある。
ルイス・ハミルトンFP1: 4位, FP2: 2位
今日は風がかなり強くて、3種類ともタイヤのグリップレベルが微妙だった。それでも無事にプログラムを消化できたし、今夜分析するためのデータをたくさん収集できたから、明日に向けてクルマを微調整していくつもりだ。
新しいパッケージを持ち込むために、チーム全員が懸命に努力を重ねてきた。アップグレードは機能しているように思うけど、ここのサーキットは市街地コースのバクーとはかなり違うから、なかなか実感が湧かない。バランスを得るためにはまだやるべき仕事が残っているけど、全体的としては前向きな感触を得ている。
F1スペイングランプリ3回目のフリー走行は、日本時間5月11日(土)19時から20時まで、公式予選は同22時から1時間に渡ってカタロニア・サーキットで開催される。