劇的…フェルスタッペンのラップ放棄経てルクレールがポール!角田裕毅は見事Q3 / F1シンガポールGP《予選》結果とダイジェスト
2022年シーズンのFIA-F1世界選手権17戦シンガポールGPの公式予選が10月1日にマリーナベイ市街地コースで行われ、シャルル・ルクレール(フェラーリ)が逆転タイトルに望みを繋ぐポールポジションを獲得した。
センセーショナルな結末だった。マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は第2セクターまでにルクレールを0.905秒上回る速さを見せていたものの、フィニッシュラインを直前にピットに戻れとの指示がチームから飛び、止む無くラップを放棄した。
結果、8番手に甘んじたフェルスタッペンは「なぜだ!」と激怒。現時点では推測に過ぎないが、一つには燃料不足の可能性が考えられる。燃料サンプルを提出できない場合は結果から除外される。
コースの所々に水たまりが残り、路面温度も上がらない中で行われたQ3では、タイヤへの熱入れの観点から各車、1セットのスリックを履いて走り続ける展開となった。そのため、セッションを前に適切な燃料量を判断する事は容易ではなかった。
セルジオ・ペレス(レッドブル)は惜しくも1000分の22秒及ばす2番手という結果となった。3番手につけたルイス・ハミルトン(メルセデス)はポールに1000分の54秒届かなかったものの、今季予選最高成績を更新した。
トップ3からコンマ1秒遅れの4番手にはカルロス・サインツが続き、同胞の先輩、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)を5番手に従えた。6番手にはランド・ノリス(マクラーレン)が並んだ。
アルファタウリ勢はピエール・ガスリーが7番手、マリーナベイ初走行の角田裕毅が10番手と、アゼルバイジャンGP以来、9戦ぶりのダブルQ3進出を果たした。9番手にはケビン・マグヌッセン(ハース)が入った。
予選Q1:全車インターミディエイトを装着
走行時間の半分が失われたFP3とは異なり、予選中に雨が降る事はなかった。ただし路面はハーフウェットで、セッションは気温26.4℃、路面27.4℃、湿度81%、気圧1008.7hPaというコンディションでスタートした。
公式タイヤサプライヤーのピレリは、ハード(白色)にC3、ミディアム(黄色)にC4、ソフト(赤色)にC5コンパウンドを持ち込んだものの、スリックが登場したのはQ2後半以降のことだった。
エントリーした全20台で争われる予選第一ラウンドのQ1は、全車がインターミディエイトを履き続ける事となった。路面の一部にはダンプが残る状態だった。
マクラーレン、アルファロメオ、アルピーヌはチームメイト間で明暗が分かれた。
新スペックのMCL36を走らせるノリスは15番手で辛うじてQ2に進出したが、旧仕様のダニエル・リカルドは17番手で敗退した。
アルファロメオは契約更新を決めたばかりの周冠宇が10番手で突破した一方、バルテリ・ボッタスは16番手でノックアウトした。
9番手を刻んだアロンソとは対照的にエステバン・オコンは18番手で姿を消し、最後のプッシュラップでブレーキが利かなかったと無線で不満を漏らした。
Pos | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
---|---|---|---|---|---|
1 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:53.057 | 8 | |
2 | ハミルトン | メルセデス | 1:53.161 | + 0.104 | 9 |
3 | ルクレール | フェラーリ | 1:54.129 | + 1.072 | 7 |
4 | ペレス | レッドブル | 1:54.404 | + 1.347 | 7 |
5 | サインツ | フェラーリ | 1:54.559 | + 1.502 | 8 |
6 | ラッセル | メルセデス | 1:54.633 | + 1.576 | 9 |
7 | マグヌッセン | ハース | 1:55.103 | + 2.046 | 8 |
8 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:55.314 | + 2.257 | 9 |
9 | アロンソ | アルピーヌ | 1:55.360 | + 2.303 | 8 |
10 | 周冠宇 | アルファロメオ | 1:55.375 | + 2.318 | 7 |
11 | ベッテル | アストンマーチン | 1:55.602 | + 2.545 | 8 |
12 | ガスリー | アルファタウリ | 1:55.606 | + 2.549 | 9 |
13 | ストロール | アストンマーチン | 1:55.629 | + 2.572 | 7 |
14 | シューマッハ | ハース | 1:55.736 | + 2.679 | 8 |
15 | ノリス | マクラーレン | 1:55.914 | + 2.857 | 9 |
16 | ボッタス | アルファロメオ | 1:56.083 | + 3.026 | 7 |
17 | リカルド | マクラーレン | 1:56.226 | + 3.169 | 9 |
18 | オコン | アルピーヌ | 1:56.337 | + 3.280 | 9 |
19 | アルボン | ウィリアムズ | 1:56.985 | + 3.928 | 7 |
20 | ラティフィ | ウィリアムズ | 1:57.532 | + 4.475 | 8 |
予選Q2:早期スリックの賭けに敗れたアストン
5台が脱落し残る15台のマシンが挑んだQ2では、アストンマーチン勢と周冠宇の3台が2セット目にソフトタイヤを投じたものの、コンディションにそぐわずタイムを改善できなかった。
Here. We. Go. 👀
Leclerc comes in for new Inters, but Stroll, Vettel and Zhou opt for the slicks! Two minutes remain in Q2#SingaporeGP #F1 pic.twitter.com/5h5aE59Pv3
— Formula 1 (@F1) October 1, 2022
ハミルトンは2番手でQ3進出を果たしたものの、僚友ジョージ・ラッセルは11番手に終わった。
対照的にアルファタウリ勢はガスリーが7番手、角田裕毅が8番手に続き、ダブルQ3進出を果たした。
Pos | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
---|---|---|---|---|---|
1 | ルクレール | フェラーリ | 1:52.343 | 14 | |
2 | ハミルトン | メルセデス | 1:52.691 | + 0.348 | 16 |
3 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:52.723 | + 0.380 | 13 |
4 | ペレス | レッドブル | 1:52.818 | + 0.475 | 12 |
5 | アロンソ | アルピーヌ | 1:53.127 | + 0.784 | 16 |
6 | サインツ | フェラーリ | 1:53.219 | + 0.876 | 15 |
7 | ガスリー | アルファタウリ | 1:53.546 | + 1.203 | 17 |
8 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:53.848 | + 1.505 | 16 |
9 | ノリス | マクラーレン | 1:53.942 | + 1.599 | 17 |
10 | マグヌッセン | ハース | 1:54.006 | + 1.663 | 16 |
11 | ラッセル | メルセデス | 1:54.012 | + 1.669 | 17 |
12 | ストロール | アストンマーチン | 1:54.211 | + 1.868 | 15 |
13 | シューマッハ | ハース | 1:54.370 | + 2.027 | 16 |
14 | ベッテル | アストンマーチン | 1:54.380 | + 2.037 | 15 |
15 | 周冠宇 | アルファロメオ | 1:55.518 | + 3.175 | 14 |
予選Q3:センセーショナルな結末
角田裕毅とマグヌッセンは1セット目にインターを選択。フェルスタッペンが先陣を切ってスリックタイヤを履いたこともあり、他の8台はソフトタイヤ装着してコースに向かった。
ソフト勢は最後までタイヤを交換せず、連続周回を重ねて少しずつタイムを削っていった。
一時はハミルトンが暫定ポールに立っていたものの、最終ラップでルクレールがベンチマークを大きく改善。最速の座を奪い去った。
その直後、第1・2セクターで全体ベストを刻んでいたフェルスタッペンがラップを放棄。続くラップでも有望な速さを見せたが、ピットからの指示を受けて再びラップを中止した。
2022年F1シンガポールグランプリ決勝レースは日本時間10月2日(日)21時にフォーメーションラップが開始され、1周5,063mのマリーナベイ市街地コースを61周する事でチャンピオンシップを争う。
2022年F1第17戦シンガポールGP予選リザルト
Pos | No | Driver | Team | Q1 | Q2 | Q3 | Laps |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:54.129 | 1:52.343 | 1:49.412 | 20 |
2 | 11 | ペレス | レッドブル | 1:54.404 | 1:52.818 | 1:49.434 | 19 |
3 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:53.161 | 1:52.691 | 1:49.466 | 23 |
4 | 55 | サインツ | フェラーリ | 1:54.559 | 1:53.219 | 1:49.583 | 22 |
5 | 14 | アロンソ | アルピーヌ | 1:55.360 | 1:53.127 | 1:49.966 | 23 |
6 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:55.914 | 1:53.942 | 1:50.584 | 24 |
7 | 10 | ガスリー | アルファタウリ | 1:55.606 | 1:53.546 | 1:51.211 | 24 |
8 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:53.057 | 1:52.723 | 1:51.395 | 20 |
9 | 20 | マグヌッセン | ハース | 1:55.103 | 1:54.006 | 1:51.573 | 23 |
10 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:55.314 | 1:53.848 | 1:51.983 | 23 |
11 | 63 | ラッセル | メルセデス | 1:54.633 | 1:54.012 | 17 | |
12 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 1:55.629 | 1:54.211 | 15 | |
13 | 47 | シューマッハ | ハース | 1:55.736 | 1:54.370 | 16 | |
14 | 5 | ベッテル | アストンマーチン | 1:55.602 | 1:54.380 | 15 | |
15 | 24 | 周冠宇 | アルファロメオ | 1:55.375 | 1:55.518 | 14 | |
16 | 77 | ボッタス | アルファロメオ | 1:56.083 | 7 | ||
17 | 3 | リカルド | マクラーレン | 1:56.226 | 9 | ||
18 | 31 | オコン | アルピーヌ | 1:56.337 | 9 | ||
19 | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 1:56.985 | 7 | ||
20 | 6 | ラティフィ | ウィリアムズ | 1:57.532 | 8 |
コンディション
天気 | 晴れ |
---|---|
気温 | 26.4℃ |
路面温度 | 27.4℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1シンガポールGP |
---|---|
セッション種別 | 予選 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | マリーナベイ市街地コース |
---|---|
設立 | 2008年 |
全長 | 4940m |
コーナー数 | 19 |
周回方向 | 反時計回り |