レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンが勝ち取ったF1サウジアラビアGPのウィナートロフィー、2022年3月27日
Courtesy Of Red Bull Content Pool

F1シンガポールGPでのタイトル決定パターンと見落とされがちな前提条件、日本GPでの最終決着濃厚か

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F1イタリアGPでフランスから続く連勝記録を5に伸ばしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、早ければ次戦F1シンガポールGPで昨年に続く2度目のドライバーズタイトルを獲得する可能性がある。

5名のタイトル候補者

モンツァでのレースを終え、ランキング6位につけるルイス・ハミルトン(メルセデス)の8度目のタイトルの可能性は潰えた。現時点でチャンピオン獲得の可能性があるのは以下の5名だ。

  • マックス・フェルスタッペン(レッドブル、335点)
  • シャルル・ルクレール(フェラーリ、219点)
  • セルジオ・ペレス(レッドブル、210点)
  • ジョージ・ラッセル(メルセデス、203点)
  • カルロス・サインツ(フェラーリ、187点)

シンガポールの翌戦、鈴鹿での日本GP以降の残り6戦で獲得可能な最大ポイントは138点だ。つまり、マリーナ・ベイ市街地コースでのレース終了時点でフェルスタッペンがライバルに138点差以上をつければ決着がつく

「以上」としたのは、仮に日本GP以降の全てのレースでフェルスタッペンがリタイヤし、ルクレールが全勝して同一ポイントで並んだとしても、フェルスタッペンの連覇が決まるためだ。

同点の場合、優勝回数が多い方がタイトルを手にするルールとなっている。フェルスタッペンは現在11勝を挙げている。残りのライバルの中で最も優勝回数が多いのはルクレールだが、それでも3勝止まりだ。

表彰台の上で優勝トロフィーを掲げるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2022年9月11日F1イタリアGP決勝レースCourtesy Of Red Bull Content Pool

表彰台の上で優勝トロフィーを掲げるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2022年9月11日F1イタリアGP決勝レース

シンガポールでフェルスタッペンの連覇が決まるパターン

まずは見落とされがちな前提条件を確認したい。それは規定周回数の75%以上を消化するという事だ。75%未満の場合はポイントが削減され、優勝しても最大19点に留まるためタイトルは決まらない。

シンガポールGPの規定周回数は61周だ。つまり46周以上を消化する必要がある。そしてその上でフェルスタッペンが優勝する事が絶対条件となる。後はファステストラップ(FL)の有無によって以下のように変化する。

フェルスタッペン ルクレール ペレス
優勝+FL 8位以下 4位以下
優勝 9位以下 4位以下 + FL無

フェルスタッペンがFL無しの優勝に終わった場合、ルクレールが9位フィニッシュに加えてFLを記録してもタイトルは決まる。逆にペレスが4位でFLを記録すると日本GP以降にお預けとなる。

ちなみに今季のルクレールは、リタイヤしたレースを除けば全てトップ6でチェッカーを受けている。統計的に言えばシンガポールでチャンピオンシップ争いが決まる可能性は低い。

なおフェルスタッペンの今季平均順位が1.64位、ルクレールの平均順位が3.30位である事を踏まえて計算すると、ドライバーズタイトルは鈴鹿で決する可能性が高い状況だ。

コンストラクター選手権はどうなの?

現時点でコンストラクタータイトル獲得の可能性があるのは以下の3チームだ。

  • レッドブル(545点)
  • フェラーリ(406点)
  • メルセデス(371点)

シンガポールGPを終えてレッドブルがライバルに220点以上の差をつければタイトルが確定する。

ただし例えレッドブル勢が1-2フィニッシュに加えてFLを記録し、ライバルが全滅したとしても点差は183点に留まるため、こちらに関しては雨が降ろうが槍が降ろうが、シンガポールでタイトルが決まる事はない。

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