ポール争いのハミルトンとは対照的に11戦ぶりのQ2敗退…ラッセルの予選を台無しにした問題とは?
メルセデスはウェットコンディションとなった10月1日(土)のF1シンガポールGP最終FP3で苦戦を強いられたものの、その直後の予選では状況を好転させた。ただしチームメイト間では明暗が分かれた。
ルイス・ハミルトンはシャルル・ルクレール(フェラーリ)及びセルジオ・ペレス(レッドブル)とのポール争いに絡み、1000分の54秒差の3番手を手にした。トップ3会見に出席したのは今年始めてのことだった。
対照的に、同じマシンを駆るラッセルは意外にも11番手でQ2敗退を喫した。0.006秒差だった。最終Q3を逃したのはマイアミGP以来、11戦ぶりのことだった。ドライバーエラーがあったわけではない。一体どうしたと言うのか?
予選を振り返ったラッセルは「コーナを攻めていかなきゃならないのに、ブレーキ系統のトラブルに悩まされていたんだ。グリップは良かったのに、どのコーナーもうまく回れなかった」と説明した。
「低速コーナーは兎に角、どうにもならなかった。まるで後ろから誰かに押されているような感覚だった」
「アンダーステアが続いていて、それが残念だった。あの問題がある以上、Q3に駒を進めたとしても大した成績は望めなかったと思う」
「データ上で幾つかの兆候があった。明日までに解決できればと願ってる」
これはラッセルがFP1で何度も直面した問題と全く同じものだった。曰く、予選開始から時間を経る毎に悪化していったという。
チーム代表を務めるトト・ウォルフは「ジョージはブレーキに問題を抱えていたため、トップポジションを争えるだけの適切な状態になかった。原因を見つけ出さなければならない」と説明した。
チームメイトが今季最高成績を計上しただけに、一層悔しい思いが込み上げている事だろうが、ラッセルは追い抜き困難なマリーナベイ市街地での挽回を諦めてはいない。
「クルマが好調だっただけに、僕自身にとってもチーム全体にとっても残念な結果だ。ルイスは本当に速かった。でも残念ながら僕はクルマを上手く機能させる事ができなかった」
「勝利を懸けて戦えるクルマがあるというのに、11番手からスタートしなきゃならないなんて…」
「それでも、全体としては励みになる週末になっている」
「ここは結局のところ、予選がモノを言うサーキットだけど、幸いにもデグラデーションが高そうだし、明日は2ストップレースになるかもしれない」
「僕らがこの場に立っているのは間違いなく、ポイントを獲得するためだ」
2022 F1シンガポールGP予選ではシャルル・ルクレール(フェラーリ)がポールポジションを獲得。2番手にセルジオ・ペレス(レッドブル)、3番手にルイス・ハミルトン(メルセデス)が続く結果となった。
シンガポールグランプリの決勝レースは日本時間10月2日(日)20時にフォーメーションラップが開始され、1周5,063mのマリーナベイ市街地コースを61周する事でチャンピオンシップを争う。