アルガルベ・サーキットでのFIA記者会見に出席するレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2021年4月29日F1ポルトガルGP

”シーズンはまだ長い”の常用句はフェルスタッペンの「成熟ぶり」と「本気度」の証し

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レッドブル・ホンダRB16Bがタイトル争いに十分なパフォーマンスを秘めている事は明らかだが、マックス・フェルスタッペンは「シーズンはまだ長い」という言い回しを常用し、決して慎重な姿勢を崩そうとはしない。

それは第3戦ポルトガルGPのプレスカンファレンスでも変わらなかった。キャリア初となるタイトル戦への感想を問われると「まだシーズンは長いからあまり考えていない。毎週出来る限りの事をやるだけ」と口早に返した。

RB16Bには何か知られざるネガティブな要素があるのだろうか? いや、どうやらそういう事ではなさそうだ。フェルスタッペンはタイトル争いのプレッシャーを軽減させるために、意識的に余計な言葉を口走らないように気を使っているのだという。

「僕は常に現実的だし、愚か者じゃない。これほどの僅差でのチャンピオンシップでミスが許されない事は分かっている」とフェルスタッペンは語る。

「チーム内の誰にも余計なプレッシャーをかけたくないし、自分達は何をすべきかは分かっているからね。何度も言うような事じゃない」

「僕は目の前の週末に集中したいし、口数少なくありたいたい。何も誇張する必要はない」

変に期待を煽るようなポジティブな言葉を口にしていない事は確かだが、フェルスタッペンが今季タイトルに並々ならぬ手応えを得ている事は明らかだ。

通例、フェルスタッペンは週末ごとにメルセデスに対する「苦戦」を口にしてきたが、今季はそれがない。真意というものは、表立って表れる表現のみに表れるものではない。得てして語られない事にこそ真実は潜んでいる。

17歳でのデビュー初期は、如何にも10代といった趣の生意気さ、熱を帯びた姿勢が目立っていたが、殊ダニエル・リカルドのチーム離脱以降は落ち着き払った様子を見せ、今季は本当の意味で落ち着いているように見える。

こうした変化はフェルスタッペン本人が状況に応じて自身を意図的に適応させてきた結果だった。

戦うべき相手は、ニコ・ロズベルグの引退後、急速に王者としての風格、冷静さ、一貫性、鋭さを高めてきたルイス・ハミルトンだ。特に近年は恐ろしいほど高い次元で完成されているだけに、かつてのような目先の勝利だけを視野にレースに挑むスタンスでタイトルレースを戦っていく事はできない。

「これまではチャンピオン争いに絡んでいなかったから、レースに勝てるマシンに仕上がっていたとしてもリスクを犯す事もあった」とフェルスタッペン。

「でも当然の事ながら、チャンピオン争いをしている時や、自分に競争力があることが分かっている時は、アプローチというものは少し変わる」

「なぜなら、トップレベルではない週末であったも多くのポイントを失うわけにはいかないからだ。完璧な週末を過ごせなくても、出来る限り多くのポイントを獲得できるようにしなきゃならない」

レッドブル、ホンダ双方が死力を尽くした結果、RB16Bがタイトル最有力候補の1台である事は疑いないが、フェルスタッペンは、最終的にチャンピオンシップを制するためには「完璧な仕事」果たし続ける必要があると強調する。

「予選や決勝で何が起こるかは、コースレイアウトに懸かっているから何とも言えないけど、ただひとつ言える事は、僕らは接戦の最中にあるって事だ。お互いに完璧な仕事をしなければ、相手を打ち負かすことはできない」

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