2021年11月14日にインテルラゴス・サーキットで開催されたF1サンパウロGP決勝の表彰台に上がったレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンとメルセデスのルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタス
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至極…失格ハミルトン、大逆転劇!「全力を尽くしたし楽めた」とフェルスタッペン / F1サンパウロGP《決勝》結果とダイジェスト

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2021シーズンFIA-F1世界選手権 第19戦サンパウロGP(旧ブラジルGP)の決勝レースが11月14日にインテルラゴス・サーキットで行われ、DRS規制違反による予選失格処分を経て、メルセデスのルイス・ハミルトンが大逆転の今季6勝目、キャリア通算101勝目を飾った。

8度目のタイトルを目指すハミルトンは初日金曜の予選でトップタイムを記録するも、DRS稼働時のメインプレーン、フラップ間の隙間が既定値の85mmを超過していた事で失格となった。

そのため土曜のスプリント予選では最後尾スタートを余儀なくされるも、驚異の15台抜きを披露して5位フィニッシュを達成した。

決勝では5基目のICE(内燃エンジン)投入で5グリッド降格の10番手からスタートしたものの、19周目には早くも2番手に浮上。その後は毎ラップに渡ってフェルスタッペンのDRS圏内につけ猛攻を重ねに重ね、レース終盤に差し掛かろうかという59周目に首位に躍り出ると、そのままトップチェッカーを受けた。

1996年のF1ワールドチャンピオン、デイモン・ヒルはSNSに「これまでに見た今までのF1の中で最高のドライブの一つだった。誰が見てもそうだっただろう。全くもって信じがたいほどだ」と投稿した。

なおチェッカー後のインラップ中にシートベルトを外して走行していたとして、レース後に5,000ユーロ(約65万5,000円)の罰金と、2022年末までの執行猶予付きの20,000ユーロ(約262万円)の罰金を科す裁定が下された

2番グリッドのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は1周目にポールシッターのバルテリ・ボッタス(メルセデス)を交わして58周目までリードし続けたものの、一旦ハミルトンに追い付かれた後は防戦一方となり、ラップリーダーの座を守り切ることはできず10秒496遅れでチェッカーを受けた。

レース後のグリッドインタビューに応えたフェルスタッペンは「兎に角、ペースが少し足りていなかったけど、全力を尽くしたし楽んだ。ポイントでのリードはまだ十分にあるけど、今日はちょっとしたダメージリミテーションのレースになってしまった。続くこの先のレースで挽回するよ」と語った。

表彰台の上で2位トロフィーを掲げるレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2021年11月14日F1サンパウロGP決勝レースにてCourtesy Of Red Bull Content Pool

表彰台の上で2位トロフィーを掲げるレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2021年11月14日F1サンパウロGP決勝レースにて

もう一台のレッドブル・ホンダRB16Bをドライブしたセルジオ・ペレスは1周目のターン4でボッタスを交わし、フェルスタッペンと共にオープニングラップで1-2体制を築くも、序盤のバーチャル・セーフティーカー(VSC)によって運を拾ったボッタスにピットストップで先行を許して不運にも4番手に後退した。

ただ、残り2周でフリーストップを得てソフトタイヤに履き替え、ファイナルラップで1分11秒010のファステストラップを記録。ハミルトンから1点を奪い去ってタイトル争いに貢献した。

トップ4以降としてはシャルル・ルクレールが5位、カルロス・サインツが6位フィニッシュを果たし、フェラーリがミッドフィールド最上位を独占した。

アルファタウリ・ホンダ勢はピエール・ガスリーが7位と健闘した。角田裕毅は4周目のターン1でランス・ストロール(アストンマーチン)と接触してフロントウイングの交換を余儀なくされ、審議を経て10秒ペナルティと2点のペナルティポイントを受け、最終15位完走でレースを終えた。角田裕毅はレース後、ペナルティの内容とストロールへの不満をぶつけた

8番手にはエステバン・オコン、9番手にはフェルナンド・アロンソが続き、アルピーヌの2台が並んだ。入賞圏内最後の一枠には1周目の接触で最後尾に転落しながらも粘りの走りを見せたランド・ノリス(マクラーレン)が滑り込んだ。

レース概要

公式タイヤサプライヤーのピレリは中間レンジのC2からC4までのコンパウンドを投入。ミディアムに2セットのハードを使った2ストッパーが主流となった。

スプリント予選の週末という事で、全車が自由にスタートタイヤを選択した。19台がミディアムを選択した中、角田裕毅だけが最も柔らかいC4コンパウンドを履いてグリッドについた。

決勝は日本時間14日(日)26時にブラックアウトを迎え、1周4309mのコースを71周する事で争われた。現地サンパウロは晴れ、チャンピオンシップポイントを争う決勝のフォーメーションラップは気温23℃、路面53.5℃、湿度61.2%、気圧927hPaのドライコンディションで開始された。

オープニングラップでは、フェルスタッペンがターン1でボッタスのイン側に飛び込みトップを奪い去った。4番手スタートのペレスもターン4でボッタスを交わし、レッドブル・ホンダが早くも1-2体制を築いた。

2021年11月14日にインテルラゴス・サーキットで開催されたF1サンパウロGP決勝レース1周目のホームストレートの様子Courtesy Of Red Bull Content Pool

2021年11月14日にインテルラゴス・サーキットで開催されたF1サンパウロGP決勝レース1周目のホームストレートの様子

5番手のノリスは旧友サインツと接触してターン1に飛び出し、パンクに見舞われ最後尾に転落した。

ハミルトンは1周目を終えて4ポジションアップの6番手に浮上すると、その後はルクレールを交わして早くも3周目に4番手にまでポジションを上げた。メルセデスはチームオーダーを発動し、ターン1終端でボッタスとの順位を入れ替えた。

角田裕毅は4周目のターン1でストロールと接触。フロントウイングを交換しハードタイヤに履き替え、19番手にまで後退した。この事故によって飛散したデブリを回収するためにレースコントロールはセーフティカーを導入した。レースは10周目に再開された。

一件は審議の対象となり、角田裕毅に非があるとして10秒ペナルティと2点のペナルティポイントが科された。レース後、両者は相手方を非難した

その直後にターン1でキミ・ライコネン(アルファロメオ)と接触したミック・シューマッハ(ハース)がフロントウイングを落としたため、デブリ回収のために今度はVSCが導入された。14周目に再開された。ライコネンは12位。シューマッハは完走最下位の18位でレースを終えた。

ペレスは18周目のホームストレートでハミルトンに抜かれるも、その後のターン4で意地を見せ、アグレッシブに抜き返した。だが翌周に再びターン1でアウト側からオーバーテイクされてしまい、3番手に後退した。

ガスリーは7番手を走行していた26周目にハードタイヤに履き替え15番手でコースに復帰した。

3分の1を消化したあたりで徐々に各車のリアがタレ始めた。優勝を争う2台の中ではハミルトンが先手を打って27周目にピットイン。レッドブル陣営は翌周にカバーにまわり、同じくハードを履かせてハミルトンの前方2秒の位置でコースに送り出した。

ストロールの車両から脱落したパーツ回収のために30周目に再びVSCが導入された。角田裕毅との接触によるダメージの影響だった。ストロールは47周目にクルマをガレージに入れリタイヤした。

このタイミングでステイアウトしていたボッタスが利を得てピットイン。VSC前の28周目にピットに入っていたペレスを抜いて3番手に浮上した。

2回目のピットストップではフェルスタッペンが先行。41周目に再びハードタイヤに履き替え、ペレスの後方10秒、4番手でコースに戻った。メルセデスは翌周にボッタスを、レッドブル・ホンダはその翌周にペレスをピットに入れ、更にその翌周にハミルトンが2回目のピットストップを消化した。

フェルスタッペンは48周目のターン1でハミルトンに背後を許すと、続くターン4でのブレーキングで一瞬だけ前に出てトラックポジションを死守。両者はコース外に飛び出しながらのサイド・バイ・サイドを演じた。イン側にいたフェルスタッペンがハミルトンを追いやった可能性があるとして一件はスチュワードに記録されたが、調査の必要はないと判断された。

ターン4を巡る両者の見解

8番手を走行していたダニエル・リカルド(マクラーレン)は49周目にリタイヤした。メルセデス製パワーユニットのトラブルと発表された。

以降はハミルトンが1秒圏内バトルに持ち込み、DRSを連発する一瞬たりとも目が離せない展開となった。フェルスタッペンはツイスティーなターン2でギャップを稼ぎ、直線区間が多いターン1・3で接近を許すラップを繰り返したが、59周目に遂に陥落。ハミルトンがラップリーダーに躍り出た。

なお防衛の際のライン取りがスポーツマンシップにもとるとして、スチュワードはブラック・アンド・ホワイト・フラッグを出した。フェルスタッペンは「ただの挨拶だよ」と無線で答えた。

レッドブル・ホンダは最終ラップを前にした残り2周で、フリーストップを利用してペレスをピットインさせてソフトタイヤを装着。ハミルトンが持つファステストラップを奪取した。

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 71 1:32:22.851 25
2 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 71 +10.496s 18
3 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 71 +13.576s 15
4 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダ 71 +39.940s 13
5 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 71 +49.517s 10
6 55 カルロス・サインツ フェラーリ 71 +51.820s 8
7 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 70 +1 lap 6
8 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 70 +1 lap 4
9 14 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 70 +1 lap 2
10 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 70 +1 lap 1
11 5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 70 +1 lap 0
12 7 キミ・ライコネン アルファロメオ・フェラーリ 70 +1 lap 0
13 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 70 +1 lap 0
14 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ・フェラーリ 70 +1 lap 0
15 22 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダ 70 +1 lap 0
16 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 70 +1 lap 0
17 9 ニキータ・マゼピン ハース・フェラーリ 69 +2 laps 0
18 47 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 69 +2 laps 0
NC 3 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 49 DNF 0
NC 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 47 DNF 0

コンディション

天気
晴れ
気温
23℃
路面温度
53.5℃

レース概要

グランプリ名
F1サンパウロGP
レース種別
決勝
レース開始日時

サーキット

名称
インテルラゴス・サーキット
設立
1936年
全長
4309m
コーナー数
15
周回方向
反時計回り

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