スクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテル、F1中国GP2019年4月11日copyright Ferrari S.p.A.

ベッテルの母国ドイツ「RTL」、F1放送契約を終了…30年の歴史に幕

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ドイツの大手メディアグループ「RTL」は6月21日(日)、1991年以来30年に渡って継続してきたF1放送契約について、2020年末の満了を以て更新せず終了すると発表した。今後はUEFAヨーロッパリーグや2021年新設のUEFAヨーロッパカンファレンスリーグ、代表チーム戦といったサッカー国際大会の放送に注力する。

契約満了の理由についてマネージング・ディレクターを務めるイェルク・グラフは、テレビ放映権を巡る競争の激化を挙げて、リソースを”ナンバー1テレビスポーツ”としてのサッカーに集中するためだと説明した。RTLメディアグループは今年初め、先に挙げたサッカーイベントについて、2021年から2024年シーズンまでの全282試合の放映権獲得を発表していた。

ニコ・ヒュルケンベルグが去った今、今季グリッドにおける唯一のドイツ人ドライバーであるセバスチャン・ベッテルは、スクーデリア・フェラーリとの契約を更新せず今シーズン末を以てマラネロを去ることが決定しているものの、移籍先に有望なチームはなく、引退あるいは一年の休養を予想する声も上がっている。

とは言え、RTLがF1との関係を精算してサッカーに注力するのではとの憶測は、V6ハイブリッドターボが導入された頃より流れていただけに、ベッテルを巡る動向が直接的な影響を及ぼしたとは言い切れない。

ホッケンハイムリンクでのドイツGPの契約終了や、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行に伴うグランプリ開催計画の不安定化も要因の1つと考えられる。なお、昨シーズンのドイツ国内におけるテレビ視聴者数は、前年比23%と増加傾向を示していた。

ミハエル・シューマッハの活躍に伴い、ドイツ国内におけるF1人気はサッカーやボクシングと肩を並べる程に高まった。その後もベッテルが4度のワールドチャンピオンに輝き、近年ではニコ・ロズベルグが2016年にタイトルを獲得。ドイツ人ドライバーはフィールドの中で一際大きな輝きを放っていたが、RTLとF1との長きに渡るサクセスストーリーも遂に終わりを迎える事になる。

無料生中継していたRTLの撤退に伴い、今後ドイツ国内のファンの選択肢は有料放送のSky Deutschland一択となる見通しだが、この構図は日本と重なる。日本においてはF1人気の低迷と呼応するように、2015年を以てBSでの無料放送が終了。現在はフジテレビNEXTとDAZNによる有料放送のみとなっている。