キミ・ライコネン、喉の乾きを潤せずチームにご立腹…一方で水分補給出来なかった事に無頓着なニコラス・ラティフィ
キミ・ライコネン(アルファロメオ)とニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)にとってのモナコGPは、ポイントを巡るライバルとの争いというだけでなく、喉の乾きに耐えながらの78周であったようだ。
一切のミスが許されないモンテカルロ市街地コース。ラティフィは18番グリッドからレースに臨み、壁に当たる事もライバルにクルマをぶつける事もなく15位フィニッシュを果たして1時間半を戦い抜いた。だが、レースをスタートする前に一つのミスを犯していた。
ラティフィは「唯一のミスは、レースが始まる前にドリンクチューブを口に入れるのを忘れてしまった事かな」と述べ、レース中に水分を補給する事が出来なかったと明かした。
だが、高温多湿の過酷なコンディションでのレースとなるシンガポール等とは異なり、ここは幸いにもモナコだった。
バルテリ・ボッタス(メルセデス)は、コックピット内の気温が60℃を超えた2017年のシンガポールGPでドリンクボトルの故障に見舞われ水分を補給できず、脱水状態で目がかすむ症状に陥った。
「レースが終わるまで気づかなかったから、それはそれで良かったんだけどね」とラティフィ。
「なんだか、少し喉が渇いたなって思って気づいたんだ。クルマから降りた後に水分を摂った。大きな問題はなかった。トレーニングの成果だね」
「確かに理想的とは言えないし、若干脱水症状気味だったかもしれないけどね。このコースはストレートでもステアリングを切らなきゃならないし、本当に休む暇がなく、精神的にもいつもより余分にエネルギーを使うから、少しハードだったかもしれないけどさ」
ウィリアムズFW43Bは低速コーナーとバンピーな路面を苦手としており、チームメイトのジョージ・ラッセルも14位と今回もポイント獲得はならず、ウィリアムズはアントニオ・ジョビナッツィが10位入賞を飾ったアルファロメオにコンストラクターズ選手権で先行を許す結果となった。
ただ、アルファロメオのドライバーも同様の問題を抱えていた。ただしこちらはチーム側のミスだったようだ。
11位でレースをフィニッシュしたライコネンは「フォーメーションラップでまたドリンクのチューブが緩んできやがった。あの忌々しいチューブ、レース中ずっと俺の背中の方でプラプラしてやがった。正確にチューブを繋ぐのはそんなに難しい事なのか?」とチームに不満を訴えた。
ライコネンはフェラーリ在籍時の2018年のハンガリーGPでもチームのミスによって水分補給不能のレースを強いられた。この際は路面温度が60℃近くに達する過酷なコンディションであったが、3位表彰台を経て「大した問題じゃなかった」と言ってのけた。
2007年のF1ワールドチャンピオンは今年の10月に42歳の誕生日を迎える。