どうなるレッドブル? ”デザイナーの範疇を超えたニューウェイ”の離脱、影響見通しを語るセルジオ・ペレス
最高技術責任者(CTO)を務めるエイドリアン・ニューウェイのレッドブル電撃退団についてセルジオ・ペレスはどう見ているのか?
チーム創設初期から携わり、レッドブルを計6回のコンストラクターズ選手権チャンピオンに導いてきた稀代の天才デザイナーは、来年の第1四半期を以て英国ミルトンキーンズのチームを去る。
F1第6戦マイアミGPの開幕を前に34歳のメキシコ人ドライバーは、今季を含めて4シーズンを共にしてきたニューウェイの退団について「理想的でないのは間違いない」と認めた。
「チームと組織にとって本当に大きな存在だったし、僕にとっては多くの時間を共に過ごしてきた本当に良き友人でもある」とペレスは語る。
「でも結局のところ、人生には色々あるわけで、レッドブルでの20年を経て彼はおそらく、何か別のことをしたいと思っているのだと思う。それは責められる事じゃない」
ニューウェイを失ったレッドブルはどうなってしまうのか?
ペレスはニューウェイを「デザイナーの範疇を超えた存在」であると評価し、その損失が決して軽微なものでない事を認めつつも、レッドブルは今後も変わらずF1の最前線を争える組織であり続けると考えている。
ニューウェイの他にもレッドブルには、ピエール・ワシェ(テクニカル・ディレクター)やベン・ウォーターハウス(パフォーマンス・エンジニアリング責任者)、エンリコ・バルボ(エアロダイナミクス責任者)といった才能ある技術者が揃っている。
クリスチャン・ホーナー代表が組織してきたエンジニアリングチームは「本当に強力な組織」であるとしてペレスは、「エアログループ全体が本当に強力だし、将来を楽しみにしている」と語った。
「この手のビッグチームというのは、ビッグネームが去ってもビッグチームが常に存在するものだし、一人の個人に帰着するものじゃなく組織全体が重要であって、その点でクリスチャンは、次世代に備えるために素晴らしい仕事をしたと思う」
フェラーリとアストンマーチンが獲得を狙っていると見られるニューウェイの次のキャリアは現時点で明らかではないが、移籍先に関わらずペレスはニューウェイがそのチームに「即座」にプラスの影響を及ぼすと予想する。
「エイドリアンは経験が豊富で、レッドブルの哲学に多大な貢献をしてきた人だから、どこに行って何をしようとも、すぐに影響を与えると思う」とペレスは語る。
「本当に賢いし、本当に懸命に仕事に取り組む人だし、エイドリアンはデザイナーの範疇を超えた存在だ。戦略やセットアップ、そしてレースウィークにも影響を与えることができるんだ。彼のいる週末は心強かった」
「本当に個性の強い人だし、どこに行ってもすぐに影響を与えるだろうね。ただ彼には、彼を支える人々のグループが必要だと思う」
ニューウェイの離脱は技術部門の人材のみならず、マックス・フェルスタッペンを含めて更なる才能の流出の引き金になりかねないとも見られるが、ペレスは「そうは思わない」と否定的だ。
「誰もが全力でチームにコミットしていると思う。それに僕らは今年も素晴らしいシーズンを過ごしているし、チームの将来は明るいように思う」
「今回のように一部の人材を失うのは珍しい事じゃないし、組織としては今も変わらず本当に強固だし、この点に関してこれ以上の変化はないと思う」